ソフトバンクの闇と陰 その4 スプリント社買収成功 = ソフトバンクの負債は膨らむ一方

2013年07月08日 23:59

 前回からの続き・・・
 
 【関連記事】: ソフトバンクの闇と陰 その3 2013年分で社債1兆円超を発行 と 格下げを検討する格付け会社

 格付けの話が頻繁に出ますので・・・
 
 【関連記事】: 【参考資料】債券格付け対応表 (S&P、ムーディーズ、R&I、JCR、Fitch)

 前回は、ソフトバンクが年内(現時点)だけで1兆円超の社債を発行した事実確認と、格付け機関大手が全てネガティブ(格下げ方向で検討している)と判断している事実に触れ、しかも、海外の評価と日本のJCRとの格付けに差が有り過ぎることにも触れておきました。


 今回も、予定外の割り込み記事。






 本気でこの話の続きを書く気など更々無かったのですが、スプリント社買収確定前にS&Pが早くも動きました。

 予言者でもありませんが、まぁ間違いなくそう遠くない未来にソフトバンクグループは大変な状況になるでしょう。(結局、外資に直接支配されるオチかな? ドコモかAUがイーアクセス分ぐらい買い取るかもしれませんが・・・)

 ともかく、その3で軽く触れた 『 スプリント社買収に成功しても・・・??? 』 になる訳ですが、日経が速報気味に記事を出した後で、ブルームバーグが纏めた形で記事しました。






S&P:ソフトバンクをジャンク級に格下げ-スプリント買収で

更新日時: 2013/07/08 15:29 JST


 7月8日(ブルームバーグ): 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8日、ソフトバンク の長期格付けを投機的水準(ジャンク級)に引き下げたと発表した。発表を受け、株価は下落した。

ソフトバンクによる米通信大手スプリント ・ネクステルの買収計画が7月中に完了する見通しであることを受けた措置。格付けは「BBB」から「BB+」に2段階引き下げられた。アウトルックは「安定的」。

スプリントをめぐり米衛星テレビ会社ディッシュ ・ネットワークとの争奪戦となり、買収額は当初予定から7.5%増となる216億ドル(会社発表で約1兆8000億円)まで膨らんだ。この増額を受けてディッシュは買収合戦から撤退を決めた。ソフトバンクはすでに米連邦通信委員会(FCC)の承認を受け、買収完了を待っている状態だ。

S&Pは、計画変更によりソフトバンクからの「資金流出が拡大する」と指摘。一方、スプリントの業績は、コスト削減効果などで「徐々に改善する」との見方も示した。

S&Pの発表を受け、株価は一時、前週末比4.8%安となる5600円まで売られ、2週間ぶりの日中下落率となった。終値は同3.4%安の5680円。


↓元記事 ブルームバーグ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MPLQGR6JTSE901.html



 S&Pによる2段階もの格下げ を日本で報道したのは、日経さんとITMediaさんぐらいでしょうか?
 他は、見つけられませんでした。余談ですが、ロイターさんも客観的に記事にしています。


 一応、長期チャートで見ると、儲けている人もそれなりに存在するはず・・・


chat_9984.jpg
株価チャート: ソフトバンク株価 年間チャート 2012年7月11日〜2013年7月10日

 長期チャートでも、最近の激しい乱高下が見えています。

 これが、その7月8日を挟んだ1週間分のチャート


w.gif
株価チャート: ソフトバンク株価 週間チャート 2013年7月4〜10日

 短期ですと、デイトレード目的で購買するのは、既に馬鹿か度胸のある人物がすることかと・・・
 おまけに、某金融サイトには「買い」ですと。何にせよ、個人投資家の資金を 『 彼ら 』 が持って行くだけですからね。本当に、どこを向いても怖い世の中。


 とにかく、ソフトバンクはスプリント社買収完了を目前にして、S&Pに2段階も格下げされて、市場が敏感に反応、株価が急落した訳です。

 既に、JCRぐるみの大規模な白い鳥っぽい臭いがしてくるのですが、私の鼻は当てにならないので、気にしないで頂きたい・・・

 それで、JCRは格下げしてもA−(上から7番目)と人を馬鹿にし過ぎているので放っておいて、ムーディーズが格下げしたらどうなるのでしょうかね? 今回、載せませんが、既に(記事の編集時に)ムーディーズはソフトバンクに対して懸念を表明しています。

 個人的には、非常に楽しみです。






 実は、日本の大手メディアがほとんど触れていない話が幾つも存在します。

 最初は、軽く。スプリント社買収が失敗に終わった方が良かった話。






スプリント社の買収に失敗した場合


↓WSJ(日本語版) 『 ソフトバンク、スプリント買収断念でも利益40億ドル 』
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323846104578427663839377542.html

 上記の記事に、買収に失敗した場合に以下の収益が得られると書かれている。以下、箇条書き。
 
 ・ スプリント社から、違約金として6億ドル
 ・ 事前に購入していた転換社債から約10億ドルの利益
 ・ 円高時にドルを先物ヘッジしていており、約25億ドルの利益(2013年4月時点の記事)
 
 合計すると約41億ドルの利益が得られると書かれている。
 つまり、買収に失敗していれば、ソフトバンクグループとしては儲けていた。

 その3で取り上げたロイター通信によるムーディーズの見解は、スプリント社の買収に失敗したら格下げ方向の予備格付けを外す考えを話していたのですね。これだけじゃ無いのでしょうが、少なくともムーディーズは失敗時にソフトバンクが収益を上げる事は知っていたはず。

 結果はご周知の通り、スプリント社の買収に成功してしまった・・・






 買収に失敗しただけで、大体4000億円近くの利益が得られたのですが、買収に成功してしまい、これを超えられるのか? 今後も注視したいと思います。


 次に、米国の独占禁止法によるシェアの問題。
 上位2社は、これ以上シェアを伸ばすと独占禁止法(以下、独禁法)に抵触する恐れが強い為に、意図的に加入者数をコントロールしていると云われています。






 俄に信じがたいかもしれませんが、全米3位のスプリント社の買収に上位2社とも参入しない時点で、ある程度は納得出来る話です。


全米携帯業界は、実は、2強寡占状態


 少し古いデータも加わりますが、あくまで感覚的にこれだけの差がある ・・・と感じて頂ければ。


subscribers.jpg
 グラフ1: 2011年のキャリア別グラフ

 ↓参考サイト dailywireless.org 『 Dish: On the Move 』 (英文)
 http://www.dailywireless.org/2012/11/15/dish-on-the-move/


 グラフにすると、上位2社AT&Tとベライゾン2社のシェアが飛び抜けていることが分かる。
 調べても、2013年3月時点での急激な加入者の変動は少ないようです。
 (4位のTモバイルが、他キャリアを買収して若干増えたぐらいでしょうか・・・)


 次は、円グラフ。こちらも2社合計でシェア60%を超え過ぎないように苦労している様子が覗える。


8719280440_fa99b1c360.jpg
 グラフ2: 2013年5月時点のキャリア別円グラフ(本文中にNowと書かれている)
 
 ↓参考サイト Blue Field Stragty 『 The US wireless market, 6 years since the iPhone, Part 1: operator consolidation 』(英文)
 http://www.bluefieldstrategies.com/blog/?cat=21

 サイトの主旨としては、上位4社でシェア90%に届く状況に触れています。しかし、日本や韓国の3強状態よりはマシだとコメントされている。



 数字は平気で嘘をつきますから、グラフや表だけでは心許ないでしょう。
 米国携帯キャリアの独禁法が端的に分かる記事を見つけましたので、紹介しておきます。
 
 ↓ITMedia 『 AT&TのT-Mobile買収、米司法省が独禁法で提訴 』
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1109/01/news032.html

 この記事から見えてくることは、AT&T社は4位のTモバイル以下ぐらいなら、いつでも買収可能な程、数字以上に差が歴然としています。(独禁法に抵触しないと判断されれば、本気でやるでしょう。)


 それで、何が言いたいかと云うと・・・

 ソフトバンクが米スプリント社もしくはTモバイル社買収に成功したとしても、米国独禁法との関係でシェア拡大は簡単では無い事実が見えてきます。

 仮に、一時的にAT&Tもしくはベライゾン社のシェアを奪うことに成功したとしても、彼らは独禁法対策の”足かせ”を自らで解除すれば良いだけになります。

 現実的に、3位スプリントや4位Tモバイルも上位2社を相手にせず、更に弱小キャリアへの合併もしくはシェアを奪っています。






 その3のロイター通信の記事でヒントが書かれているのですが、大事な話としては、スプリント社は買収に応じる程の負債を抱えています。






スプリント・ネクステル社の固定負債総額は・・・


 固定負債総額は、何と357億2000万ドル

↓wikinvest 『 Sprint Nextel >> Total Non-Current Liabilities 』 (英文)
http://www.wikinvest.com/stock/Sprint_Nextel_%28S%29/Data/Total_Non-Current_Liabilities

 為替レートが不安定ながら、1ドル100円で考えると 約3兆5720億円。

 先に補足しておくと、流動負債分(Current Liabilities)も足していませんし、借入金など総資産との合計でもありません。
 ※決算報告上のバランスシートは約6400億円の純資産をキープ出来ています。


Sprint Nextel Balance Sheet.jpg
写真: スプリント・ネクステル社のバランスシート(英文)

↓元記事 Yahoo finance(英文) 「 Sprint Nextel 」
http://finance.yahoo.com/q/bs?s=s+Balance+Sheet&annual


 以下は、文体も崩して、単なる金融の”き”の字も分からず、まともなブログ記事を拡散もして貰えない、哀れな孤独死確定の素人による戯言です。

 インターネットでの噂話では、スプリント社の総資産は約1兆2000億円。実質的な負債総額は約1兆4000億円だと云われています。
 
 噂話を鵜呑みにすると、つまり、本当はとっくに負債超過企業。

 この話が頷けるのは、連続赤字が決算で報告されている点。
 話が逸れますが、噂話を抜きにしても、スプリント・ネクステル社は利益では連続赤字で、純資産を年々食い尽くしている状態。


 この辺りの話も、ほり下げて調べると情報が錯綜しています。
 
 その原因は・・・
 
Sprint Nextel Total Assets.jpg
 写真: スプリント・ネクステル社のAssets(資産)拡大写真
 
 
  Intangible Assets(無形固定資産) 22,012,000(約2兆2000億円 ※数字の単位は1000ドル)
 
 なんだコレ? 全ての資産の中で 無形固定資産が飛び抜けて多いじゃないですか?

 因みに、この無形固定資産が0だったとしてザックリ計算してみると・・・
 
 6400億円 − 2兆2000億円 = −1兆5600億円
 
 あれ? ネットの噂話 負債1兆4000億円 と負債額が似通ってしまいます。
 実際には、無形固定資産が0はあり得ませんから、ひょっとして・・・・

 ともかく、具体的な数字が報道されない原因なのでしょうか?
 
 以上 長い独り言でした・・・)



 さて、文体も戻し、話を続けます。

 ソフトバンクは買収費用として2兆円近く使いますが、約8割はスプリント社の株式取得に使用される予定です。
 つまり、ほとんどの準備資金がスプリント社が抱えるこの負債返済には使用されません。

 更に、ソフトバンク社は買収名目で社債を一気に増やしました。(具体的には、その3)


 少なくとも、スプリント社買収に成功し、新たに負債も膨れあがった巨大グループの誕生だと覚えておいて下さい。

 その3で紹介したロイター通信によるムーディーズの報道になりますが、スプリント社買収に成功した場合、ソフトバンクの格下げを検討する旨の記事が書かれていた訳です。

 格下げはジャパンパッシングもあるのかもしれませんが、負債面だけで考えると理路整然とした話です。






さいごに


 少なくとも今回の一連の動きによって、スプリント社買収に成功し、ソフトバンクが抱える負債が急激に膨らんだことは事実です。


ソフトバンク社債の格付け一覧
(2013年7月8日時点)
格付け会社格付け上からの順位
ムーディーズBaa3
※予備格付け
(ネガティブ)
上から10番目
S&PBB+
安定
上から11番目
JCR
※予備格付け
(ネガティブ)
上から6番目



 その分、豊富な資金が集まっていますので、孫正義CEOが次の一手をどう出るのか?が、専門的な注目点のようです。

 ただ、携帯事業のインフラ整備には、また膨大な資金が必要になりますので・・・

 さて、ソフトバンクがどう出るのか? 個人的にも注目したいと思います。






恒例となった? 独り言


 ソフトバンクグループ社員は自業自得だったとしても、例え外資に買われようが救済に公金を使うのでしょうかね?


 『 本日の、ぼやき・・・ 』


 (´・ω・`)? で、どうすんのこれ?


 とにかく、日本経済に大型爆弾を仕込むことには、成功したようですね。
 
 『 陰謀論など無い 』 とおっしゃる高級時計をつけた政治家や有識者ばかりで、助かりましたね!☆


 ☆(ゝω・)vキャピ






 その5へ・・・
posted by オオルリ@卍解 | Comment(2) | TrackBack(0) | 反日 創価 統一教会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
intangible asset は電波利用権でしょうね。

どの程度の資産価値があるかどうかは不明ですが。日本の携帯会社は簿外資産として載ってるものが、アメリカだと資産として現れている。

これを無価値とすればスプリントは債務超過、バランスシート上の価値があるものだとすれば、日本の携帯会社のバランスシートが保守的過ぎることになります。

私は、実質無価値だと見ます。
Posted by aiu at 2013年10月15日 14:35
非常に納得の出来るコメント、大変感謝しております。

噂話は山ほどありますが、この噂話はやはり本当みたいですね。

そうなると、ソフトバンク社は1兆円超の社債を発行して、1兆円超の負債超過企業を買収したことになるのかな?

単純に、合計負債は2兆円超・・・
Posted by オオルリ@卍解 at 2014年02月19日 23:06
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