ラック・メガンティック鉄道事故 カナダ・ケベック州:行方不明者はほぼ絶望的 事故直後はまるで戦地の映像

2013年07月11日 23:59

 この原油を積んだ貨物列車が脱線して、爆発炎上し、多数の犠牲者が出たことは報道されています。
 具体的に、何でこのような惨事が起き、どこまで被害が酷いのか?が分かり難いと思います。

 写真だけでも、被害状況の深刻さが分かります。まず、事故発生前のラック・メガンティックから。


Lac Megantic before2.jpg
写真:事故前のラック・メガンティック (グーグルマップ・衛星写真からの合成写真)

 この、いかにも閑静に思える街が・・・


Lac Megantic after2.jpg
写真:事故後のラック・メガンティック (航空写真)

 こうなりました。


 報道通り、事故原因はヒューマンエラーの可能性が高いことは分かっています。

 それにしてもタイミングが・・・と思い、調べてみると公表が二転三転しており、事故後に報道するメディアが激減した理由も頷けます。
 (後は、被災地がフランス語圏の地域だそうで、英語メディアでは対応出来ないところも・・・)

 この件に限らず、世界中で列車脱線事故が相次いでおり、単なる偶然なのか?気にはなっています。


 映像や写真だけ見たい方は、こちら






 調べると、アシアナ航空の着陸失敗より不可解なことが分かりました。
 (韓国側は操縦ミスとの印象操作だと、アメリカ側の事故調査団に抗議していますが、ボイスレコーダーでも高度が低すぎる と操縦士の一人が発言している。)


 記事を読んでも、状況を把握しにくい為に、先に整理しておきます。

 取り敢えず、大きく分けて火災は2回発生しています。
 
 ・ 貨物列車の停車ポイントである ”ナント”で、小規模火災
 ・ 脱線ポイントの ”ラックメガンティック”で、爆発・大規模火災


 停車ポイントである ”ナント”は、報道から判断すると坂の途中にあるようです。
 当然ながら停車時にブレーキが必要なのですが、”ナント”での消火作業のドタバタで原因がハッキリとしていません。

 ブレーキに関しての補足

 ・ 自動ブレーキは、ディーゼルエンジンから動力を得ている為に、エンジンを止めるとブレーキが効かなくなる。
 ・ 手動ブレーキは、エンジンが止まっていても効く。ただし、機関車両だけで5つ、1車両に複数あって全て手動で作動させないといけない。

 無人の列車が停車ポイントから勝手に動き出した原因は、どちらかのブレーキが効いていなかったとのこと。


 この記事は、列車が勝手に動き出した理由が、”ナント”の小規模火災の消火活動によって、ディーゼルエンジンが止められ、自動ブレーキが外されたことが原因だとする発表になります。
 (つまり、消防隊員のせいだ との主張)


カナダ列車脱線事故は「消防隊のブレーキ解除が原因」、鉄道会社

2013年07月10日 09:55

11022387.jpg

【7月10日 AFP】カナダ東部ケベック(Quebec)州ラックメガンティック(Lac-Megantic)で6日、原油輸送列車が脱線・爆発炎上し、少なくとも13人が死亡、三十数人が行方不明となっている事故で、事故列車を運行していた鉄道会社の最高経営責任者は9日、事故の原因は消防隊員らがブレーキを解除したことにあると発表した。

 列車は事故の前、ラックメガンティックから約13キロメートル西のナント(Nantes)で乗員交代のために停車していた。モントリオール・メーン&アトランティック・レールウエー(Montreal Maine & Atlantic Railway)のエドワード・バークハート(Edward Burkhardt)最高経営責任者(CEO)によると、5両あった機関車のうちの1両で発生した小規模な火災を消し止めるために呼ばれた消防隊が、列車のブレーキを解除したという。

 バークハートCEOはカナダの仏語日刊紙ラプレス(La Presse)に対し、ナントの消防隊員らは「火を消火器で消し止めたが、そのために先頭の機関車のエンジンを停止させた。これが、事故につながった」と述べた。列車のブレーキは機関車を動力源としており、機関車のエンジンが停止したことでブレーキも解除され、列車はラックメガンティックへ向けた坂道を下り始めたと、同CEOは説明している。

 同社がエンジン停止の知らせを受けた時には、列車はすでに町に到達していたという。列車は米ノースダコタ(North Dakota)州を出発し、カナダ東部ニューブランズウィック(New Brunswick)州の精油所に向かっていた。同CEOは、今後は列車を無人で放置しないよう徹底すると約束するとともに、内部調査を開始したことも明かした。一方、ナンテ消防局は同社の主張を否定。機関車火災の消火に当たった12人の隊員は、全ての適切な手順を踏んでいたと主張した。

■住民の間に渦巻く怒り

 6日の事故では、周辺4区画が壊滅的な被害を受け、建物30棟が倒壊。約6000人の住人のうちおよそ2000人が避難を余儀なくされた。9日には多くの住民が帰宅し始めた。

 バークハートCEOはカナダ放送協会(CBC)に対し、町民の間には「たくさんの怒りが生まれているのは承知している」と述べ、9日に予定していた現地入りを延期すると発表。「銃で撃たれないといいんだが」と付け加えた。

 町民たちはAFPの取材に、バークハート氏に対する怒りをあらわにしている。53歳の男性は「怖がっているのか?」と語った。また別の住民も、「少なくとも私たちに謝罪すべき。そうすれば少しは感情もおさまる」と述べた。(c)AFP/Clement Sabourin


↓元記事 AFP通信
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2955107/11022387



 個人的にも、消防隊員が貨物列車のディーゼル機関を熟知しないといけないのか? と思います。
 消火作業中に、エンジンが動いていたら危ない と思うのは普通では無いでしょうか?
 (日本でも色々な問題があることは分かっています。別の機会に・・・)
 
 私も、この記事は調べてから書いてます。
 ディーゼルエンジンを止めると、自動ブレーキが解除されるなんて知りませんでした。






 ナントの消防関係者達も黙っておらず、猛反論に出た結果・・・






 作業員のミスの可能性もあると、列車運営会社が前日の発言を覆した。


カナダ列車事故、死者50人か 「ブレーキかけ忘れ」の可能性も浮上

2013年07月11日 11:35 発信地:ラックメガンティック/カナダ

11024772.jpg

【7月11日 AFP】カナダ東部ケベック(Quebec)州ラックメガンティック(Lac-Megantic)で6日に原油輸送列車が脱線・爆発炎上した事故で、同州の警察は10日、死者は50人に上ったとみられると発表した。

 警察はこれまでに20人の死亡が確認され、30人が行方不明になっていると発表した。警察によると行方不明者全員が死亡したとみられており、警察は不明者の家族に連絡したという。身元が確認された犠牲者は1人にとどまっている。

■手動ブレーキのかけ忘れが原因か
 
 警察の発表に先立ち、列車を運行していた鉄道会社モントリオール・メーン&アトランティック・レールウエー(Montreal Maine & Atlantic Railway、MMA)のエドワード・バークハート(Edward Burkhardt)最高経営責任者(CEO)は同日、機関士の1人がいくつかの手動ブレーキを正しくかけていなかったことが原因だったとみられると述べた。

 事故現場を訪れたバークハート氏は記者団に対し、「手動ブレーキが正しくかけられていなかった。この責任は機関士にある。ブレーキがきちんとかかっていれば、この事故は起こらなかっただろう」と話した。

 事故を起こした原油輸送列車は、ラックメガンティックから少し離れたナント(Nantes)で乗員交代のために停車していた。乗務員がいない列車はラックメガンティックに向かって坂を下り始め、カーブで脱線して数両の貨車が爆発した。

 バークハート氏はそれまで、事故の原因はナントの消防隊が機関車のうちの1両で発生した小規模な火災を消すためにエンジンを停止させたことで、空気ブレーキが解除されたことだと指摘していた。しかしバークハート氏は10日、空気ブレーキの解除は「事故発生の重要な要因」だったと指摘しつつも、「機関車の空気ブレーキが解除されたために列車が動き出したということは、手動ブレーキがかかっていなかったということだ」と述べた。

■事故は防げなかったのか

「かかっていたブレーキを解除した者はいないと思う。当社の社員が、最初からブレーキをかけ忘れていたのだろう」と述べたバークハート氏はさらに、「(機関士が)一部の手動ブレーキをかけたのは確かだろう。問題は、それらが正しくかけられていたかどうかだ。われわれは当初、列車にあった11の手動ブレーキをかけたという機関士の言葉を信じていたが、事実はそうではなかった可能性があるとみている」と述べた。

 バークハート氏はまた、ナントの消防隊が機関車のエンジンを停止させたことについては、「彼らは自分たちが正しいと思うことをした」と語った。

 一方、ナンテの火災現場に呼ばれたMMAの線路管理の監督者は、エンジンが停止していたことには気付いたが、ディーゼル機関車については詳しくないため、「結果として何が起こり得るかについては認識していなかった」と話している。この監督者はすぐにMMAの操車係に連絡したが、エンジンをかけられる人を現場に呼んで、列車が滑り落ちるのを防ぐにはすでに手遅れの状態だった。(c)AFP/Clement Sabourin


↓元記事 AFP通信(日本語版)
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2955338/11024772



 2つの記事を纏めて、情報を整理します。
 
 1. 停車ポイントである”ナント”で、小規模火災が発生。”ナント”の消防隊が鎮火

 2. 消火作業中に、消防隊がディーゼルエンジンを止めたと証言
 
   (自動ブレーキは、ディーゼルエンジンから動力を得ている。
    エンジンを止めたせいなのか?手動ブレーキのかけ忘れなのか?も争点に)

 3. 関係者が貨物列車の移動に気付いたときには、既に列車を止めるチャンスを失った後だった
 
   (つまり、貨物列車には誰も乗っていない状態)

 4. 停車ポイントから約13キロ離れたカーブで列車が脱線

 5. 積んでいた貨物は原油だった

 6. 原油が漏れ出て、何らかの原因で出火 → 爆発 → 炎上
 
 7. 脱線ポイントは、カナダ・ケベック州ラック・メガンティック(人口6千人)
 
 8. 漏れ出した原油が炎上した先に住宅と店舗が30程あった
 
 9. 当初の安否不明者は、60人以上と報道
 
 10. 現在のところ、死者20人、行方不明30人と下方修正
 
 11. 行方不明者も、絶望的と現地警察が発表
 
 12. 手動ブレーキのかけ忘れが原因との見解が発表された(今回の報道は、これがメイン)


 纏めてもスッキリしない話ですが、とにかく、無人の列車が 『 走る凶器 』 と化した話です。

 錯綜していた人的被害状況は、死者20人、行方不明者30人に。
 現地警察は、行方不明者30人も絶望的だ と公表。
 (この日以降の報道でも、行方不明者の無事は報道されずに、死者が増える報道のみ)

 最大で2千人が一時的に避難。人口6千人の町だけに、住民の動揺は大きいはずです。






 最後に廻しましたが、見たい方だけ見てください。
 以下は、一般投稿込のラック・メガンティック事故の映像と画像です。






事故直後の映像


 確かカナダのケベック州は、フランス語圏だったと思います(明確な境目などありませんが・・・)。
 フランス語が飛び交っていますが、事故直後の凄まじい映像です。


ラックメガンティック鉄道事故の映像

↓YouTUBE 『 Incendie a` Lac-Me'gantic 』

http://youtu.be/91Tlr6b3uHs


↓YouTUBE 『 Canada Oil Train Explosion Lac Megantic Full HD 』

http://youtu.be/aPVRRgAtL4A


↓YouTUBE 『 Train Tragedy in Downtown Lac-Megantic 』

http://youtu.be/_2YEVjrPuRE


↓YouTUBE 『 Freight train derailment causes huge fire and evacuations in Canada 』

http://youtu.be/JtZj8YMAeMQ


↓YouTUBE 『 At least three dead in train crash 』

http://youtu.be/KFLMGSvr6k0


ラックメガンティック鉄道事故の画像

imgpress.jpg

image.jpg

Lac-Megantic-06jul13-2.png

Lac-Megantic panorama.jpg

PC_130706_vx9jf_lac-megantic_wagon_sn1250.jpg

lac_megantic_1.jpg

pch104114664_high18.jpg

hi-lac-megantic-train-47029-8col.jpg

戻る


     ◇   ◆   ◇


 普段のラックメガンティック。
 (念の為に事故はラックメガンティック郊外で起きており、以下の写真はメガンティックの観光地になります。)

Megantic Parc.jpg
写真: メガンティック公園

img_17060_503.jpg
写真: モント・メガンティック

 観光ガイドにもあり、ラックメガンティックを含め、周辺の環境のすばらしさが紹介されているようです。






参考サイト


↓Wikipedia 「ラック・メガンティック鉄道事故」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E9%89%84%E9%81%93%E4%BA%8B%E6%95%85


 その他多数の英字媒体メディア
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/369783169
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。