米上院: 中国の海洋活動への非難決議採択 と 自衛隊への中国海軍によるレーダー照射のまとめ

2013年07月30日 23:59

 少しずつですが、米中の関係がより明確になってきた感があります。

 米上院議会で、主に 『 尖閣諸島 』 を中心とした中国の海洋活動に対して非難決議が全会一致で採択されました。






米上院:中国海洋活動、非難決議を採択

毎日新聞 2013年07月30日 19時29分(最終更新 07月30日 19時52分)


 【ワシントン西田進一郎】米上院は29日の本会議で、東シナ海や南シナ海で中国の海洋活動が地域の緊張を高めていると非難し、航行の自由や領有権問題の平和的な解決を支持する立場を再確認する決議を全会一致で採択した。決議は、上院外交委員会のメネンデス委員長(民主党)ら超党派の議員が6月に共同提案していた。

 決議は、中国が東シナ海や南シナ海で活動を活発化させ、地域を不安定化させているとし、過去数年の事例を列挙。沖縄県・尖閣諸島を巡っては、今年1月の中国海軍艦艇による海上自衛隊の護衛艦への射撃用の火器管制レーダー照射などを挙げ、「地域の緊張をさらに高めた」と非難した。

 さらに、中国が尖閣諸島の領有権を主張する動きを強めていることについて「米政府は日本の施政権を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対し、尖閣諸島が日本の施政権下にあるという米国の立場は影響されない」と明記。米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約の対象であるとの立場も改めて表明した。

 オバマ大統領は6月の米中首脳会談で、尖閣問題の対話による解決を強く求めたが、習近平国家主席は従来の主張を繰り返した。今回の決議は、議会も中国の海洋活動に強い懸念を抱いていることを突きつけ、政府を後押しする狙いがある。


↓元記事 毎日.JP
http://mainichi.jp/select/news/20130731k0000m030029000c.html



 6月末に上院の外交委員会で全会一致で採択された決議案でしたが、本会議でも全会一致の採択が得られました。
 報道のされ具合から見ると、6月末に提出された原案よりも少し踏み込んだ内容になっているのでしょうか?
 原案に加筆される可能性もありますが、少なくとも議事録には残るはずです。


 色々な意味が汲み取れる報道ですが、一番は『 中国軍によるレーダー照射 』 問題に関して、(中国側が否定しても)米議会のお墨付きを得られた ことになります。しかも、超党派による全会一致。(米側の公式発言では、既に認めたも同然でしたが・・・)


 法的・軍事的には何の効力もありません。米国議会には米軍の指揮権が無いからです。

 ただし、貿易に関しては米議会が決定権を持っています。(※オバマ大統領はじめホワイトハウスのメンバーには、TPPを始めとする貿易に関して最終決定権はありません。)
 この非難決議は議会内での超党派による意見統一を意味しており、例え記事としては小さくとも、外交上で大きな出来事になります。






 他のことも調べており、レーダー照射の件は軽くまとめておきます。

 後々、重要な話に発展する可能性もありますので・・・






中国軍による火器管制レーダー照射事件 まとめ


 発表当時の記事です。

中国艦船、海自艦船にレーダー照射 1月30日に

2013/2/5 19:15 (2013/2/5 19:45更新)


 小野寺五典防衛相は5日夜、1月30日午前10時ごろ、東シナ海で中国海軍所属のフリゲート艦「ジャンウェイ」が、海上自衛隊第7護衛隊「ゆうだち」に向けて火器管制レーダーを照射したと発表した。防衛省内で記者団に語った。

 1月19日午後5時ごろ、中国海軍のフリゲート艦「ジャンカイ」が、海自第6護衛隊「おおなみ」に搭載していたヘリコプターに向けてレーダーを照射した疑いがあることも明らかにした。

 安倍晋三首相は5日夕、首相官邸で防衛相に、万全な対応を取るとともに、外交ルートを通して中国に抗議するよう指示した。これを受け、外務省は中国政府に抗議した。

 防衛相は一連の事態について「大変、特異な事例だ」との認識を表明。「一歩間違えれば大変危険な状態に発展していた」と述べた。発生から発表まで時間がかかったことに関しては「慎重にも慎重を期した。分析・検討に時間がかかった」と説明した。


↓元記事 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS05037_V00C13A2000000/



2013年1月19日のレーダー照射事件 関係資料


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写真: 054型フリゲイト(ジャンカイI型/江凱I型)


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写真: 『 おおなみ 』 に搭載されている最新鋭の対潜ヘリ『 SH−60K 』



2013年1月30日のレーダー照射事件 関係資料


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写真: 053H3型フリゲイト(ジャンウェイII型/江衛II型)


a_yuudachi.jpg
写真: 海上自衛隊 護衛艦 ゆうだち


 これもブログを休んでいた頃の話で、アルジェリア人質事件が落ち着きをみせたか?と思った矢先の発表でした。
 自衛官もレーダー照射をキャッチした時は、尋常では無い緊張感の中で公務をされていたのでしょうね・・・






 少なくとも、やはり2013が来たなぁ・・・ と思った事件の一つでした。






朝日新聞を中心とした 誤報?騒動


 過去にも中国軍によるレーダー照射疑惑があったことが記事にされ、その後朝日新聞が誤報でも無いのに、朝日デジタル(朝日新聞の公式ウェブサイト)から記事が抹消された。


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写真: 朝日新聞2013年2月6日付夕刊1面


 小さい記事ですが、夕刊とは言え1面。
 誤報サイトにも現在も記事が載っているのですが、恐らく誤報では無く色々な 『 配慮 』 から削除された模様です。

 その証拠として、国会の委員会質疑において、尖閣国有化以前のレーダー照射疑惑に関する質疑が国会の委員会で行われたことは議事録に残っています。
 議事録からも、政府の公式見解としては明言を避けたい意向が汲み取れます。


第163回国会 安全保障委員会 第2号

平成十七年十月七日(金曜日)

(以下、敬称略)

国務大臣
(防衛庁長官) : 大野 功統
防衛庁副長官 : 今津 寛
出席委員 : 理事 細野 豪志


一部抜粋

○細野委員 残り十分ほどになりましたので、海洋権益の問題に話を移していきたいと思います。
 まず、先日行われた日中間の実務者協議ですが、防衛庁長官にまず質問をさせていただきます。
 日本側から、中国側に対する資源開発について幾つか発言がある中で、これしかペーパーにないものですから概要を見ておるんですが、「中国海軍の活動に関し、日中双方が東シナ海を「協力の海」としようとしていることと整合的でないと懸念を表明。」と非常に漠然とした表現をなされているんですが、「中国海軍の活動」というのは具体的にどういうことを指しているのか、これをお答えいただけますでしょうか。

○今津副長官 近年、我が国の近海において中国の海軍艦艇の航行が行われておりますけれども、これらの海軍艦艇の中には、何らかの訓練と思われる活動や情報収集活動、海洋調査活動を行っていると考えられるものが確認されております。これは、平成十一年ぐらいが、防衛庁が航行を確認したものでありましても二十七隻ぐらい、平成十二年が十五隻と多かったんですが、その後少し少なくなりまして、また平成十七年、ことしになりましてから十隻ということで、かなり数がふえていることを確認いたしております。
 九月九日の午前九時ごろ、海上自衛隊のP3Cが天外天ガス田付近を航行する中国海軍のソブレメンヌイ級のミサイル駆逐艦一隻と、それからジャンフー・ミサイルフリゲート二隻、そして計五隻の艦艇を確認いたしております。海上自衛隊がソブレメンヌイ級駆逐艦を確認するのは、本年一月東シナ海において確認して以来二回目のことでございます。

○細野委員 一部の報道によると、その艦艇から日本のP3Cが照準を合わされたという報道がありますが、これは事実でしょうか。

○今津副長官 私も新聞では見ましたけれども、確認はいたしておりません。

○細野委員 明らかに、東シナ海の係争水域のちょうど中国側、中間線より中国側に若干入っていて、日本の権益も侵しているかもしれないと言われている地域において中国海軍の活動が活発化しているんですが、これに関しては、ここで「整合的でない」、そういう非常にやわらかな表現があるんですが、これはしかるべき、きちっと当然外務省としてもやるべきでしょうけれども、防衛庁長官としても中国側にきちっとおっしゃっているという認識でよろしいんですね。

○大野国務大臣 我々中国との防衛交流を促進したいという意味で努力をいたしておりますが、なかなかそういう面で意思疎通ができていないというような状況でございまして、今の問題点については確認していない、こういうことでございます。

○細野委員 確認をしていないというのは、当事者ですからね、確認されていないことはないんでしょうが、事実関係は。
 少なくとも、防衛庁としても、この問題に関しては中国側に抗議すべきだと思います。こういう資源開発の問題にひっかけて向こうも出してきているわけですから、その場でおっしゃるのも、もちろんそれは一つ機会だと思います。これから日中関係を考えたときに、潜水艦の問題もそうでしたし、不審船、不審船は北朝鮮を中心ですが、さまざまな懸案があるわけですから、それについてきちっと抗議をできるような、そういう体制をつくっておかないとこれからむしろ懸念は拡大していく、特に海上においては拡大していくということは間違いないと思いますので、ぜひそのことは要望しておきたいと思います。
 時間もなくなってきたので、当事者である局長にもきょう来ていただいていますので、共同開発を日本側として提案したというんですが、どういう共同開発を提案したのか、御答弁いただきたいと思います。


抜粋終了 以降は別内容の質疑の為 割愛


↓元記事 第163回国会 安全保障委員会 第2号
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/163/0015/16310070015002c.html



 因みに、平成17年(2005年)10月7日は小泉第3次内閣。
 既に、小泉自公政権時からレーダー照射疑惑が存在したことが議事録に残っている。






 皮肉なことに、隠蔽を追求した民主党が、この後の尖閣諸島中国漁船衝突事件を隠蔽することになる。
 (一応、あの時は中国側に即時の抗議はしたが、国際司法裁判の有力な証拠となる漁船まで返した)

 後日、同会議にて、同様の質問が繰り返される。






第4号 平成17年10月21日(金曜日)

平成十七年十月二十一日(金曜日)

(以下、敬称略)
出席委員 : 理事 内山 晃
(防衛庁防衛局長) : 大古 和雄
(防衛庁運用局長) : 山崎 信之郎


一部抜粋

○内山委員 ぜひ、迅速に対応できる態勢をつくっていただきたいと思います。
 それでは、質問通告にございます、まだ給与法の改正ではありませんけれども、何点か御質問をさせていただきます。
 東シナ海におきまして中国が開発を進めておりますガス田でございます。ガス田周辺に中国軍の艦艇が展開をしている状況にあるわけでありますけれども、今回、小泉総理が靖国神社を参拝した後にこの辺の中国艦艇の変わった動向というようなものがありましたかどうか、お尋ねをしたいと思います。

○大古政府参考人 お答えいたします。
 最近、日中中間線付近で中国の軍艦が特に活動しているということではございませんが、先般、九月九日のことでございますけれども、ガス田周辺で中国の軍艦五隻が視認されております。これは、海上自衛隊のP3哨戒機が、日本名では樫、中国では天外天というガス田でございますが、その付近を航行するソブレメンヌイ級駆逐艦一隻ほか五隻の艦艇を確認したものでございます。この一部につきましては、このガス田の採掘施設を周回するような動きがあったというふうに承知しております。

○内山委員 その中国の艦艇の中に、新聞によりますと潜水艦も含まれていたという報道がございました。これは事実でしょうか。

○大古政府参考人 報道は承知しておりますけれども、先ほど御説明した以上のことを説明いたしますと、我が国の情報能力がわかるということになりますので、答弁は差し控えたいということでございます。

○内山委員 そうですか。それはもう機密であればこの場でいろいろお聞きするのはやめておきますけれども、やはり優秀なP3Cですから、そういったところは探知できるんだろう、こう思います。
 それと同時に、十月七日の当委員会におきまして我が党の細野議員が、ガス田周辺の中国艦船より哨戒機のP3Cに対して照準を合わせられた、銃口を向けられたという質問をいたしましたけれども、そのとき答弁は、確認をとれていないというようなお答えがあったと思いますが、その確認がとれましたでしょうか、お尋ねをしたいと思います。

○山崎政府参考人 御答弁申し上げます。
 その十月七日の件でございますけれども、海上自衛隊のP3Cに対して中国海軍の艦艇が明らかに照準を合わせたかどうかということの事実は確認をできなかったという旨を副長官の方から御答弁申し上げた次第でございますけれども、一般論として申し上げれば、P3C自体、視認によってはそういう洋上の艦艇から照準を合わされたかどうかということは確認はできませんが、一般論としてもう一度申し上げますが、航空機に対して当然艦艇は対空レーダーを用いて照準を合わせるわけでございますので、それに対して自動的に探知するESM、これはエレクトロニック・サポート・メジャーという装置がございまして、これで大体照準が合わされたかどうかということについてはわかるような次第になっております。

○内山委員 ですから、照準を合わせると、P3Cの中に合わせられたという何か信号が出てくるわけですね。その事実があったのかどうかというのを聞きたいんですけれども。

○山崎政府参考人 先ほど防衛局長からも答弁いたしましたように、個別具体的な事実関係につきましては、当方の警戒監視能力とか部隊行動の内容が明らかになりますので、任務遂行上、今後支障を及ぼすおそれがありますので、その点についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

○内山委員 実は私、P3Cに搭乗したことがございます。優秀な、大変すばらしい機械でございました。こういったミサイルをロックオンするとか照準を合わせるということは、当然やはり敵対的な行為ではなかろうか。それは、事実があった場合には当然防衛庁の方に報告がなされているはずだと思うんです。このままこういう行為を見過ごしてしまうということはいかがなものか、こう思うんですが、国際法上どうなんでしょうか。照準を合わせられるとかミサイルをロックオンする、ミサイルフリゲート艦もいたようでありますけれども。

○山崎政府参考人 またこれも一般論で恐縮でございますが、通常、そういう照準を合わせられた等の特異な行動がありました場合には、まず安全確保のための行動をとるのは当然でございますけれども、それに応じて、当然、順序を経て、適宜上層部の方に報告を受けている次第でございます。

○内山委員 仮に、仮にの話ですけれども、これで対空機関砲でもP3Cに対して撃たれたといった場合には、それに対するマニュアルというのがあるんでしょうか。

○山崎政府参考人 基本的なマニュアルというのはございますが、個別具体的に、例えば哨戒中に撃たれたというような話についてどう対応するかというのは、当然、回避運動というのをまず行うのだろうというふうに考えております。

○内山委員 P3Cにも対艦ミサイルハープーンというのも積んでいると思うんですけれども、これは当然やはり撃たれれば自衛のために撃ち返すということもそのマニュアルの中にはあるんでしょうか、どうでしょうか。

○山崎政府参考人 当然、我が方として与えられている武器使用の権限というのは、マニュアル上、記載はされてございます。


以降 マニュアルの存在に関する不毛な質疑に突入する為に割愛

(マニュアルが存在していても、内容まで一般に公開出来る訳がない)


↓元記事 第4号 平成17年10月21日(金曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001516320051021004.htm



 先の十月七日に行われた質問を繰り返しているだけだが、防衛庁(現・防衛省)側としては、明言を避けており、外務省も同調している。
 つまり、当時の国策として明言を避けているが、報道された内容を否定まではしていない。






さいごに


 今回の米国上院による非難決議により、今年の初めに起きた中国軍によるレーダー照射疑惑に関して米国議会のお墨付きを得た訳だが、普通に考えて小泉第3次内閣から続いていたと考えるべき話になる。

 因みに、これらの火器管制レーダー照射が起きたのは、いずれも公海上となっており、全て国際ルール違反になる。
 つまり、国際ルール上は反撃して良い(正当防衛)となる訳ですが、反撃しなかったのか?反撃出来なかったのか?も争点になっていた。
 (法律上、出来ないのであれば、法的な整備が必要になる。)

 分かっているだけで8年間も野放しだった問題で、少なくとも日米で解決に向けて少しずつ歩んでいることが分かる報道になる。


 気になるのは、今後の中国とホワイトハウスの動きになる。
 (ホワイトハウスは、どちらかと云うと親中路線)

 これからも、注視したい情報の一つ。
posted by オオルリ@卍解 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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