福島第一原発事故 2013年7月頭 井戸・港付近からストロンチウムとトリチウムの高濃度汚染水 まとめ

2013年07月09日 23:59

 内容的には、こちらの続き

 【関連記事】: 福島第一原発事故 2013年6月末 井戸・港付近からストロンチウムとトリチウムの高濃度汚染水 まとめ

 トリチウム(実質的に、水の放射性物質)に関して は こちら

 【関連記事】: 【参考資料】 トリチウム に関して

 トリチウムは、複数の専門家からも非常に厄介な放射性物質だ と指摘されています。






 前回(6月末時点)の話を含めると、正直、どこで何が検出されているのか?混乱します。

 最後に、福島第一原発の地下を通らない山側の井戸に関する報道も転載しておきます。
 やはり、山側の(福島第一原発の地下を通っていない)地下水は、そのまま海に放出して良い結果が出ているとの報道です。
 この話を含めて、日本中で ややこしい ことにはなっています。


 産経新聞から6月末公表分を含めて、図に纏めてくれています。


福島第1地下水問題 規制委「海洋汚染は継続」 土壌汚染も確認

産経新聞 2013年07月11日08時05分


sankein_snk20130711096_0-enlarge.jpg 東京電力福島第1原発敷地内海側の観測用井戸から極めて高い値の放射性セシウムを含む地下水が検出された問題で、原子力規制委員会の田中俊一委員長は10日の定例会見で「海洋汚染は大なり小なり続いていると思う」と述べた。

 規制委は同日、汚染源を特定し、対策や危険性を検討する作業部会の設置を決めた。

 一方、東電は高濃度のセシウムが付着した井戸周辺の土が水に混入していたのが原因とみている。田中委員長は海洋汚染の根拠として、「(同原発の港で)海水の放射性物質濃度が上昇していることは否定できない」と指摘した。

                  ◇

 東京電力は10日、汚染水漏れが相次いだ福島第1原発の地下貯水槽の周辺で、土壌汚染の有無を調べるための穴の水から、最大で検出限界値の5倍の放射性物質が検出されたと発表。土壌汚染が確実となった。


↓元記事 ライブドアニュース(産経新聞)
http://news.livedoor.com/article/detail/7847073/



sankein_snk20130711096_0-enlarge.jpg
写真: 高濃度の放射性物質が検出された観測用井戸


 補足として、図に以下の発表内容が網羅されていません。
 
 
 2013年7月5日 福島民友 新たな井戸からベータ線を出す1リットル90万ベクレルの汚染水を検出


 この図を見てしまうと、以降の記事は読まなくて良いぐらいですが、念の為に転載しておきます。

 ただ、この図の元記事は産経新聞なのですが、MSN産経ニュースで幾ら探しても見つかりません・・・
 何やら、『 嫌な流れ 』 も見えてきていますが、構わず続けてみます。







2013年7月5日 福島民友 新たな井戸からベータ線を出す1リットル90万ベクレルの汚染水を検出


新たな井戸から90万ベクレル 半分超ストロンチウムか


 東京電力福島第1原発の海側で採取した地下水から高濃度の放射性物質が検出された問題で、東電は5日、2号機東側の護岸から25メートルの地点に新たに掘った観測用井戸の地下水から、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質が、1リットル当たり90万ベクレルの高濃度で検出されたと発表した。
 観測用井戸から採取した地下水のうち、ベータ線を出す放射性物質の測定値としてはこれまでの最高値。地下水に含まれる放射性物質は半分以上がストロンチウムとみられ、東電は「成分を詳しく調べた結果、高濃度のストロンチウムが検出される可能性が高い」としている。
 福島第1原発では、海まで約25メートルの井戸で5月24日に採取した地下水から、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1900ベクレル検出されたが、新しい井戸から今回検出された数値は約470倍に当たる。
(2013年7月6日 福島民友ニュース)


↓元記事 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/0706/news9.html



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 別の場所を掘ってみたら、核種が不明ながらベータ線を放出する1リットル90万ベクレルもの高濃度汚染水が検出された・・・ との報道です。

 少なくとも、福島第一原発の地下水汚染が拡大している証拠となります。






 ベータ線ですか、それだけでも厄介な話ですね。
 大人しく核種の判別を待つとします。
 素直に、5月末からの状況で考えると、トリチウムとストロンチウムの可能性が濃厚です。


 次に、5日に採取した別の井戸からの汚染水から、トリチウムの濃度が過去最高を記録したとの報道です。






2013年7月7日 毎日 海側の井戸から1リットル60万ベクレルの高濃度トリチウムを検出


福島第1原発:海側の井戸で最高60万ベクレル 2号機

毎日新聞 2013年07月07日 21時37分(最終更新 07月07日 21時58分)


 東京電力福島第1原発2号機付近の観測用井戸から高濃度の放射性物質が検出されている問題で、東電は7日、海から約6メートルの井戸で5日に採取した水から、1リットルあたり60万ベクレルの放射性トリチウム(三重水素)を検出したと発表した。海への放出基準の10倍にあたる。この井戸ではこれまでで最も高い濃度。

 東電によると、観測は昨年12月に始めた。これまでの最高は7月1日に採取した水の同51万ベクレルだった。東電は「2011年4月に海に漏れた高濃度汚染水の一部が地中に残留した影響とみられ、海に流出しているか確認中」としている。

 この問題では、海側から約25メートルの井戸からも高濃度の放射性物質が検出されている。7月5日の採水では、1リットルあたり90万ベクレルのストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が見つかった。【奥山智己】


↓元記事 毎日.JP
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130708k0000m040055000c.html



 本当は世界情勢を含めると他にも色々と起きていますが、それにしてもトリチウムが1リットル60万ベクレルとは・・・






 読むのも嫌になるかもしれませんが、それは転載している私も同様です。
 目を伏せたとしても、現実は何も変わりませんから、現実は残酷です。
 
 ダメ押しのようにトリチウムやストロンチウム汚染発覚に続いて、今度はセシウムの汚染が急増した報道です。






2013年7月8日 朝日 2号機海側の井戸から1リットル2万7千ベクレルのセシウムを検出


地下水のセシウム、3日前の90倍に 福島第一原発

2013年07月09日11時08分


TKY201307090089.jpg 【木村俊介】東京電力は9日、福島第一原発2号機の海側に掘った観測井戸で8日採取した地下水から過去最高の1リットルあたり2万7千ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。5日に採取した水に比べ、約90倍に急上昇した。東電は「海に漏れているかはわからない。今後データを集めて分析する」としている。

 検出されたのは、事故直後の2011年4月に高濃度の汚染水が海に流出した2号機取水口の近くにある「1―2」井戸の水。セシウム134が法で定める濃度限度の150倍の9千ベクレル。セシウム137は200倍の1万8千ベクレル。5日に採取した放射性セシウムの値の約90倍で、ストロンチウムなどの値は89万ベクレルで横ばい。東電は「セシウムの値だけがなぜ上昇したのかはわからない」という。

 5月24日に護岸から西約25メートルの「1」井戸から採取した地下水からストロンチウムが約1千ベクレル、トリチウム(三重水素)が約50万ベクレル検出された。その後、東西南北に新たに4カ所井戸を掘り観測している。

 一部の井戸からは数十万ベクレルのトリチウムが検出されているが、値は採取した日によって上下する。

 東電は、事故直後に漏れた高濃度汚染水が周辺にしみ出て周辺の土壌にたまっているとみている。

 今回高濃度の放射性物質が検出された井戸の数メートル南側には、2号機タービン建屋と海をつなぐ側溝がある。側溝やタービン建屋から今も汚染水が漏れ続けている可能性について、東電は「現時点ではよくわからない。可能性として確たるものはなく、データを蓄積して評価したい」と話している。


↓元記事 朝日デジタル
http://digital.asahi.com/articles/TKY201307090029.html



 とにかく、今後も東電による高濃度地下汚染水の公表は続きそうです。






 最後に、山側の(福島第一原発の地下を通っていない)地下水の状況です。

 元々、山側の井戸水は汚染が確認出来ないので、地元漁業関係者に海にそのまま流して良いか?と話合いが行われていました。

 一連の高濃度汚染水報道は、福島第一原発から海側で複数の井戸や海水から検出されている話になる為に、事態は複雑になっているようです。






【福島第1原発の現状】  汚染水と地下水の混同懸念  「説明足りぬ」と地元

201307081F.JPG 東京電力福島第1原発の海側井戸で、高濃度の放射性物質を含んだ「汚染水」が相次いで検出されている。東電は、原子炉建屋に流れ込んで汚染される前の「地下水」を、山側井戸からくみ上げて海に放出しようと地元に説明を続けているが、汚染水と地下水を混同され、放出に理解が得られない要因の一つとなっている。

 地元漁業関係者は「国や東電は国民全体に向けて『汚染水』と『地下水』の違いをもっと説明すべきだ」と話している。
 
 東電が定義する「汚染水」は高濃度の放射性物質を含み、原子炉を冷却した後に建屋の地下にたまったり、海側井戸から採取されたりしている水。これに対して「地下水」は建屋に流れ込む前の水で、東電は「周囲の河川と変わらないレベル」として、汚染水との違いを強調してきた。
 
 2号機タービン建屋の海側井戸では7月5日に採取された水から、ベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり90万ベクレルの高濃度で検出された。護岸付近で3日に採取した海水のトリチウムの濃度が2300ベクレルまで上昇、汚染水が地下を通って海に流れ出ている可能性が高まっている。
 
 一方、建屋地下にたまり続ける汚染水を抑制しようと、東電は建屋より山側の井戸で「地下水」をくみ上げ、海へ放出する「地下水バイパス」計画を準備している。
 
 この地下水の放射性物質濃度はトリチウムが1リットル当たり数十ベクレル程度、ストロンチウム90は検出限界値未満で、海側井戸の汚染水とは大きな差がある。
 
 しかし「汚染水が放出される」と消費者が誤解して、風評被害につながるのではないかとの地元漁業関係者の懸念は払拭(ふっしょく)されていない。

2013/07/08 15:11


↓元記事 47News(共同通信)
http://www.47news.jp/47topics/e/243242.php



 内容としては理解できるのですが。

 一応、『 汚染水 』 の多くは 『 地下水 』 ですので、その言葉での分け方は危険かと。

 その他に関しては、とにかく難しい話です。
 理想を云えば、汚染水処理が間に合っていれば良いのですが・・・






さいごに


 既に、『 山側 』 の地下水がいくら綺麗でも、現状では海側の汚染水から海洋に漏れ続けていた強い疑惑が生じています。
 それはそれとして、『 山側 』 の地下水を放出する問題も解決していません。
 
 
 現実的に事故後2年以上も、海産物は放射性セシウムおよびヨウ素の検査結果でしか判断されていませんでした。
 これだけ ストロンチウム と トリチウム の話が出てきても、食品検査に盛り込まれる話すら出てきません。
 厳密な話をすると、ストロンチウムやトリチウムには飲食物に関する規制基準が存在しません。
 (基本的にストロンチウムとトリチウムは親水性が高い為に水中では拡散し、どちらも厄介な物質ですが、海産物では高濃度に成り難い。)


 古い情報(2012年)になりますが、未だ頻繁にアクセスされているページです。
 
 【関連記事】: 福島第一原発事故 福島県・ヒラメ稚魚10万匹放流予定 来年水揚げ?

 ヒラメの稚魚放流に付随して、上記のページに独立行政法人・放射線医学総合研究所による放射性物質測定結果を添付しています。

 過去記事にも関わらず、アクセスされる理由としては、セシウムの基準値キロ100ベクレルを満たす海産物からも、微量ながらもプルトニウムが検出されている こと、でしょうか?

 ストロンチウム、トリチウム、プルトニウム とセシウム以外にもケアすべき核種はありますが、現実的にセシウム以外の検査はされていません。

 これでもやはり、『 風評被害 』 ですかね・・・?
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福島第一原発事故 マスコミが触れない話 その54 泉田・新潟知事の抗議内容 Vol.2

2013年07月06日 23:59

 前回からの続き・・・
 
 【関連記事】: 福島第一原発事故 マスコミが触れない話 その53 泉田・新潟知事の抗議内容 Vol.1






 前回まで。
 
 泉田知事は、新潟県の浄水発生土が放射能汚染され、指導を受けた厚生労働省に申し立て書を提出しています。
 論旨としては、汚染された浄水発生土から園芸用土(キロ400ベクレル以下)とグラウンド土(キロ200ベクレル以下)に使用できるとの厚生労働省からの通知に対して、『 ノー 』 を突き返した形になります。

 (日本社会の大人なルール的には、お互いに処理に困るから、混ぜて使って下さいね 的なニュアンスになります。)

 泉田知事は、IAEAの指導に則していないとの話を踏まえていますが、この園芸用土キロ400ベクレル以下は、どこで決まって、この基準値のままで良いのか? と素直に疑問に思いました。
 今回は、泉田知事の主旨から少し外れますが、少なくとも援護射撃になりそうな話です。






 浄水発生土の園芸用土に対する基準値キロ400ベクレル以下 が妥当な数値なのか、少し置いておきます。
 
 角度を変えてみます。一体、どうやって決まったのでしょうか・・・?






腐葉土の新基準キロ400ベクレル以下設置 と 2011年夏過ぎの腐葉土・高濃度汚染騒動


 恐らく、このときの基準そのままになっています。

 こちらに、農水省による腐葉土の新基準 キロ400ベクレル以下の報道があります。

 ↓2011年8月2日 農水省より
 ↓ 腐葉土   キロ400ベクレル以下
 ↓ 配合飼料  キロ300ベクレル以下
 ↓ 養殖用飼料 キロ100ベクレル以下 の新基準
 【関連記事】: 福島第一原発事故 マスコミが触れない話 その40 全国に広がる食品汚染 Vol.3 肥料・建材(セメント)編

 細かい話を入れると、MSN産経のタイムスタンプは 2011.8.2 22:30。


 新基準の設置前にインターネットを中心に大騒ぎとなった、腐葉土の高濃度汚染問題に関しては、こちらの過去記事
 
 【関連記事】: 福島第一原発事故 マスコミが触れない話 その16 腐葉土問題とガンダーセン博士による『黒い雨』


 新基準設置前後で腐葉土に関しては、大手メディアも巻き込んで大騒ぎになりました。

 他にもありますが、こちらの記事が最も数値が高かった記憶が・・・
 以下は、2011年の記事です。

セシウム検出:栃木産腐葉土から 愛知・豊川の業者出荷

毎日新聞 2011年9月3日 2時08分


 愛知県は2日、県内で販売された栃木県産腐葉土から暫定許容値の約150倍の1キロ当たり6万800ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。県は「人への影響はない」と説明している。
 県農業経営課によると、愛知県豊川市の園芸資材販売業者が4〜8月、栃木県鹿沼市の業者から仕入れた腐葉土をJAひまわり(豊川市)、JA蒲郡市(蒲郡市)、JAあいち三河(岡崎市)の直売所5店と「ホームセンターハイエース」(名古屋市名東区)に出荷した。販売品名は「完熟腐葉土」(14リットル)、「100%有機質腐葉土」(20リットル)、「腐葉土」(7リットル)。計550袋がすでに販売されたとみられる。【加藤潔】


↓元記事 毎日.JP
http://mainichi.jp/select/science/news/20110903k0000m040194000c.html



 これぐらいの日付で、連日のように全国あちこちで報道されました。






 ここで問題なのは・・・


 記事のタイムスタンプを、もう一度。
 
 2011年8月2日22:30

 この頃を思い出して下さい。
 当時は、食品も暫定基準値キロ500ベクレル以下で、流通していた時期です。
 くどいようですが、現在は食品キロ100ベクレル以下になっています。


 科学的な知見は、全く別の話にします。
 (私も専門家では、ありませんので)

 あくまで一般的な解釈で物事を考えると・・・
 
 食品の放射能基準値が下がったのであれば、野菜などの食料品の基となる土や肥料に関する放射能基準値も下がって当然ではないか?

 との考え方が成り立ちます。

 見やすくします。


 事故直後の食品基準 キロ500ベクレル以下
 
          ↓
 
 現在の食品基準   キロ100ベクレル以下


 一方で、腐葉土は・・・

 事故後の腐葉土の基準 キロ400ベクレル以下
 
          ↓
 
 現在の腐葉土の基準  事故後と同じキロ400ベクレル以下


 あれ?って、思いませんか?

 推測ですが、腐葉土のキロ400ベクレル以下を決めたのは、食品のキロ500ベクレル以下を参考に決められた可能性があります。
 しかし、現在は食品の放射能基準値がキロ100ベクレル以下になっています・・・


 更に事態を複雑にしているのは、この肥料に関する基準値を決定したのは農林水産省であり、泉田知事が申し入れ書を提出したのは厚生労働省になります。
 簡単に纏めると、こうなります。


取り扱い物中央省庁での管轄
園芸用土農林水産省
グラウンド土 文部科学省、環境省
浄水発生土厚生労働省



 この辺りの縦割り行政が、泉田知事のフラストレーションを増大させているはずです。

 これらの行政上の手続きの煩雑さを解消する為にも、原子力規制委員会が間に入るべきではないでしょうか?






 最後に、新しい記事を。






 朝日新聞ですが、元記事はロイター通信になります。
 柏崎刈羽原発の再稼働に関して、鋭い指摘がされています。


焦点:原発再稼働へ蘇る「安全神話」、突貫作業で新規制基準

2013年7月8日14時12分


柏崎刈羽原発。新潟県で昨年11月撮影(2013年 ロイター.jpg [東京 8日 ロイター] - 東京電力<9501.T>福島第1原発事故発生の温床となった「安全神話」が息を吹き返している、との指摘が専門家の一部から出ている。実質的に半年あまりの突貫作業で仕上げて8日に施行された新規制基準について、「穴だらけ」との声も挙がっている。

 しかし、原子力規制委員会の田中俊一委員長は「世界一厳しい」と反論している。規制委の背後には安倍政権からの強い圧力があるとの見方も聞かれる中、田中氏が唱える「安全文化」が定着するのか、注目を集める新しい原子力政策が始まった。

 <泉田知事、古巣から標的>

 「なぜ急ぐのか」─。新潟県の泉田裕彦知事は今月5日、柏崎刈羽原発の再稼働方針の説明で訪れた東電の広瀬直己社長を問い詰めた。3日前に東電は柏崎刈羽原発の再稼働方針を取締役会で決議。8日の新規制基準施行後、「速やかに申請したい」(広瀬氏)と記者会見で表明した。

 だが、厳しい会談になることは予想された通りだった。泉田氏の射貫くような視線を受けて、広瀬氏は「反省すべき点があった」などと懸命に弁明する一方で、「再稼働申請の前に県の事前了解をとるのか」と迫る知事に確約はしなかった。

 6月の段階で泉田知事は、県の了解なく再稼働申請を行った場合、「信頼関係を壊す」との警告を発していた。だが、3年連続経常赤字回避に努力する姿勢を銀行団に示す必要がある東電は、社外取締役を中心に再稼働に向けて強行突破を図った。

 元経済産業官僚の古賀茂明氏は、古巣の後輩である泉田知事に対する包囲網が形成されていると述べる。「泉田裕彦は経産省で出来が悪くて知事に転出した。省内で出世できなかったことを根に持って抵抗している、というストーリーを経産省がこの1年間、ずっと流している」と古賀氏は指摘する。

 <泉田知事が批判する新基準の中身>

 泉田知事が広瀬氏との会談で繰り返した「なぜ急ぐのか」という疑問は、規制委員会にも向けられている。

 昨年9月19日に規制委が発足して以来、今年1月末には基準の骨子案が示され、4月上旬には新基準の条文案が公表された。

 こうした動きに対して、泉田知事は「福島第1原発事故の検証・総括が不十分」とし、規制委がまとめた災害対策指針についても「地元の声を反映していない」などと批判を続けている。

 一方、田中委員長は「(泉田氏の発言は)かなり個性的」と応戦、包囲網に加わった格好だ。

 <米国の規制ガイドに似ているとの指摘>

 規制基準作りで中心的役割を果たした規制委の更田豊志委員は、作業について「普通に考えれば5年はかかる」とみていたが、改正原子炉等規制法に新基準策定は規制委の発足から10カ月以内と定められ、突貫作業を余儀なくされた。

 原発メーカー、米ゼネラル・エレクトリックでエンジニアとして長年勤務した経験を持つ原子力コンサルタントの佐藤暁氏は、新基準について「骨子案に評価ガイドや審査ガイドが加わった。ただ、中身をみると米国の規制ガイドの真似で、しかも中身が貧弱だ」と指摘する。

 福島事故以前に政府が原発輸出を強化していたころ、日本の規制インフラが完備していないことが政府内で問題になり、同氏は「日本のものでは世界に通用しないから、米国の真似をするしかない」と提案したという。

 米国の規制体系は、1)原子力に関する連邦規則集、2)一般設計指針、3)規制ガイド、4)標準審査指針─で構成されている。

 日本の新規制基準は全体で約3000頁の分量だが、「米国は、規制ガイド、スタンダード・レビュー・プラン(標準審査指針)でそれぞれ1万頁くらいある」(佐藤氏)と、日米格差は歴然としている。

 新基準の問題点とは何か。佐藤氏は「挙げればきりがないが、例えば地震の扱いだ。欧州や米国では1万年、10万年に1回起こるような大地震を基準にして設計するとある。日本では、2005年以降4回、5つの原発で基準地震動を超える揺れがあったにもかかららず、新基準は実質的に以前から何も変わっていない」と批判する。

 <政治の圧力で交錯する観測>

 田中委員長は、発足以来、新基準作りを含む規制委の運営について、「科学的判断に立脚する。政治や経済の要請はしん酌しない」との姿勢を繰り返し強調してきた。ただ、古賀氏によると実情は異なる。

 「規制委員会の関係者からも情報は入っているが、圧力だらけ。(厳しい規制は)どんどん後退している。委員の一部も認めている。(政治家が)委員には直接言わないが、基準作りが遅れたら遅れるだけ非難されると、事務方から委員に上げていく」(古賀氏)という。

 円安政策をとる安倍政権にとって、液化天然ガス(LNG)などの燃料費負担が増大する原発停止の長期化は大きな懸念材料に違いない。「日本経済の命運を決めるのはあなた方、という圧力のかけ方だ」と古賀氏は語る。

 <原発政策の過去を知る関係者の証言>

 黎明期から原子力開発の現場を知る笠井篤氏がロイターの取材に応じた。同氏は1959年(昭和34年)、日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)に研究員として入所。「時の政府からの圧力は過去からずっと有形無形であった」と語る。同氏の同僚が、福島第1原発や関西電力<9503.T>美浜原発の問題を指摘した論文を学会発表した際に、「(政治から)猛烈な圧力があった」という。

 放射線防護が専門だという笠井氏。「事故が起きた時にどうすべきかという研究をしてきた。原研が唯一、安全性の研究をしていた。原発は事故が起きないはずなのに、なぜ事故が起きる研究をするのかと大蔵省(当時)から言われ、予算は削られ、人も付けてくれなかった。国の政策に反対するような研究所はつぶしてしまえと、自民党の人たちにはっきりいわれた」と、当時の状況を語る。

 若い研究者を守ったのが、原子物理学の第一人者で、笠井氏が入所当時の原研理事長だった菊池正士博士だ。「菊池さんは国の圧力はけしからんと体を張って研究者を守ってくれた。国会に何度も召喚されて、結局更迭されてしまった」という。

 笠井氏は福島事故後から現在に至る状況について、「東電と泉田知事の会合をみると、安全神話の復活どころではなく、それ以前のレベルだ。地元の意見を聞くべきなのに、政権をバックにゴリ押ししている。事故以前の体質と変わっていない」と話した。

 原子力コンサルタントの佐藤氏もまた、安全神話の復活に懸念を示す。「5年、10年、何事もなく過ぎていく可能性は十分にある。本当に怖いのは、そんなものかと考える10年後、20年後の人たちのことだ」と述べている。

 (浜田健太郎 取材協力 前田りさ 編集;田巻 一彦)


↓元記事 朝日デジタル(ロイター)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR201307080075.html



写真: 7月8日、東京電力の福島第1原発事故発生の温床となった「安全神話」が息を吹き返している、との指摘が専門家の一部から出ている。写真は東電が再稼働方針を取締役会で決議した柏崎刈羽原発。新潟県で昨年11月撮影(2013年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)






さいごに

 前回から、纏めます。
 
 泉田知事は、柏崎刈羽原発の再稼働に関する様々な問題だけで、語気を荒くしている訳ではありません。
 浄水発生土の放射能汚染が新潟県でも問題になっており、中央省庁へ申し立てもしています。
 
 何より、浄水発生土の再利用として、園芸用土とグラウンドの基準値が事故後に決められた基準値から変わっていないことも事実です。


 色々書きましたが、 まだまだ書き足りない気がします。
 現在の状況から考えると、また書く機会はありそうです。

 少なくとも、泉田・新潟知事が語気を荒くしていますが、申し入れをしている内容が 国民目線からは正論であるのに、東電・原子力規制委員会が受け入れていない ことを把握しておいて下さい。






 今回は、一応、区切りをつけますが、また何かあれば密かに続けたいと思います。






 その55へ・・・
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福島第一原発事故 マスコミが触れない話 その53 泉田・新潟知事の抗議内容 Vol.1

2013年07月05日 23:59

 一応、前回からの続き・・・
 
 【関連記事】: 福島第一原発事故 マスコミが触れない話 その52 カンボジアの奇病の正体 と 風疹に関する奇妙な一致

 暫く再開するつもりは無かったのですが、状況が状況ですので、とにかく記事にしておきます。






 今年(2013年)の春頃から、泉田・新潟知事が俄( にわか )にクローズアップされていますが、主に三つの大きな問題を抱えている為です。

 1. 新潟水俣病の認定訴訟
 
 2. 柏崎刈羽原発の再稼働問題
 
 3. 中央省庁(主に、原子力規制委員会、厚労省など)との意思疎通問題


 1と2は、大手メディア(大手週刊誌込み)で、それなりに記事にしてくれています。
 特に、柏崎刈羽原発の再稼働に関しては、安全基準を争点に、少なくとも問題点ぐらいは指摘されています。

 どれ一つとっても気の抜けない問題ですが、主に3は表面的な報道しかされていません。
 よって3の内容を追求することにしてみます。






 調べると、色々と見えてきます。
 しかも、日本全体に関わる大問題でした。






柏崎刈羽原発再稼働問題が本格化する前の意思疎通問題


 泉田新潟知事が中央省庁(特に原子力規制委員会)と一悶着していました。
 (今も相変わらずモメていますが・・・)

 春先に、少し大きな騒動になりました。
 少し古い記事ですが、このような感じです。


新潟知事の面会「ご容赦を」と原子力規制委長

 新潟県の泉田知事が原子力規制委員会の田中俊一委員長と面会できないことを問題視していることについて、田中委員長は24日の記者会見で、「本当は一つひとつ対応できればいいが(面会要請が多すぎるので)ご容赦願いたい。国会対応も忙しい」と釈明した。

 一方で、「状況に応じて会う必要がある場合は会う」とも述べた。一方の泉田知事は同日の記者会見で「委員長が会わないことが(規制委の)独立性だと考えているとすれば、全く話にならない」と改めて規制委を批判。引き続き田中委員長への面会を求めていく考えを示した。
(2013年4月25日13時34分 読売新聞)


↓元記事 YomiuriOnline
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130425-OYT1T00491.htm?from=ylist



 ご覧になって、如何でしょうか?

 記事を読んでみても、原子力規制委員会側が面会を謝絶し、泉田知事が面会を要求していることしか分かりません。

 事実は事実なのでしょうが、一体何に対して泉田知事が抗議して、原子力規制委員会が面会を断っているのか? この記事だけでは分かりません。






 意地悪をして、訳の分からない記事をわざと示したのですが、先の記事には前振りがあります。

 この記事を読むと、先の読売による報道記事は、まだ客観的な報道だった印象は受けます。






「原発立地地と向き合う気あるか」 新潟知事、ぶつける

2013年4月23日


 【角野貴之】泉田裕彦知事は22日、原子力規制庁を訪ねて池田克彦長官と面会し、「原発立地地域と向き合う気はあるのか」と規制庁の対応に不満をぶつけた。批判を続ける泉田知事に、規制庁側は困惑しきりだった。

 泉田知事は池田長官に、原子力規制委員会の田中俊一委員長あての要望書を渡した後、「なぜ田中委員長と会えないのか」「どうして(面会時間が)15分なのか」と詰問。県技術委員会に規制庁職員が参加しないことにも触れ、「どのような手順で決めているのか。ちゃんと長官まで話があがっているのか」と述べた。

 批判を続ける泉田知事に、池田長官は田中委員長と面会できない理由などを説明したが、納得しない知事は「ぜひ国の安全を守るために仕事をしてほしい」と発言。長官が「言い過ぎではないか」と語気を強める場面もあった。

 面会後も泉田知事は、記者団に「話を聞かない、職員は派遣しない、(県の質問に)回答しない、説明もさせない。これで公正、公明、独立な組織と言えるのか」と不満をぶちまけた。

 一方、規制庁の担当職員は「事務レベルでは新潟県とコミュニケーションはとれているのに、なぜ知事との間に溝があるのか」と首をひねっていた。


↓元記事 朝日デジタル
http://digital.asahi.com/area/niigata/articles/TKY201304220362.html



 少なくとも泉田知事の主張は、原子力規制委員会が各自治体に対して、まともに話し合おうとしていないとの話が分かります。

 後は事務レベルの話合いは行われているが、各トップ級の会談が行われていないことも見えてきます。






 これらの記事を良く読んでみても、泉田知事が何に対して抗議し、原子力規制委員会への要望とは何なのか? 具体的な中身がさっぱり分かりません。

 仕方がありませんので、今回は”そこに”踏み込んでいきます。






実は多岐に渡る泉田知事の質問内容


 これだけが理由では無いはずですが、全て読み終える頃には、泉田知事が我慢の限界に達した理由が見えてくると思います。



1. 汚染された浄水発生土 一般利用OK?


新潟県公式ページ 泉田知事の意見書


厚生労働大臣

田 村 憲 久  様


放射性物質が検出された浄水発生土の利用の考え方に対する申し入れ書

平成25年4月3日

新潟県知事  泉 田 裕 彦


 先般、浄水発生土に含まれる放射性セシウム濃度が、1キログラムあたり400ベクレル以下であれば園芸用土として、また、同濃度が1キログラムあたり200ベクレル以下であればグラウンド土に利用できるとの考え方の通知を受けました。

 本来、放射性物質に汚染されたものは、IAEAの基本原則に基づき、拡散させることなく、集約管理すべきと考えています。さらに、濃度規制だけでなく、生物濃縮や総量についても配慮すべきものと考えます。
 
 放射性物質の規制を原発事故以前より緩和することについては、各地域の状況を踏まえて判断する必要があり、原子力発電所立地県としては、原発事故前よりも放射性物質の規制が緩和され、原子力発電所構内より、その敷地外での取り扱いが緩くなることを懸念します。

 国は、震災以前の基準との明確かつ整合性のある安全基準を示し、丁寧な説明を行った上で、住民のコンセンサスを得るに当たっての経済的・歴史的背景や取組の状況等、地域の事情が異なることに鑑み、各地方自治体の判断を尊重するよう申し入れます。


↓元記事 新潟県公式ページ 報道発表資料
http://www.pref.niigata.lg.jp/housyanoutaisaku/1356754955073.html


1356754955073.jpg


 ブログを休んでいた時期なのですが・・・
 この話、どこまで周知されているのでしょうか?

 因みに、いくら探しても全国メディアで報道された形跡は見つかりませんでした。


 まずは、厚労省側を纏めますと。

 ・ セシウム濃度が、キロ400Bq以下の 園芸用土 は通常利用して良い。
 ・ セシウム濃度が、キロ200Bq以下の グランド土 は通常利用して良い。


 一方で、泉田知事の反論を。少し乱暴な纏め方ですが・・・

 ・ IAEAの原則に基づき、放射性物質の拡散を防ぐ方向で動くべきではないか?
 
 ・ (放射能汚染された土壌などの)濃度で考えるのでは無く、放射性物質の総量で考えるべきではないか?
  (生物濃縮も、総量と捉えました)

 ・ 様々な規制が福島第一原発事故以前よりも緩和されており、(新潟県には柏崎刈羽原発があるので)原子力発電所立地県としては由々しき事態である。

 ・ 最後に丁寧な文体で色々と書いてますが、「紙切れじゃなく、ちゃんと説明して、地方の声を聞け」と言っています。



 最後の最後に、既に泉田知事も我慢の限界に達しているのが文面から読み取れますが。
 先に、誤解が発生しないように説明を入れておきます。


 このやり取りは、泉田知事と厚労省の物ですが、間に原子力規制委員会が入って良い内容のはずです。
 元々、原子力安全・保安院と原子力安全委員会を統合したのが、原子力規制委員会になりますので、これは寧ろ厚生労働省よりも原子力規制委員会から説明があってしかるべき問題になります。


 何にせよ、厚労省からも原子力規制委員会からも何にも説明が無かったことが覗えます。






 さて、補足を入れてみます。






 既にご存じの方も多いかと思われますが・・・
 
 ほとんど大手メディアで取り上げませんが、注意したいのは、新潟県は福島第一原発事故の影響を被っている事実です。


<2012年3月5日 放射能汚染マップ 第6訂>
群馬大学・早川由紀夫教授 放射能汚染マップ 第6訂URL:http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-473.html


 このマップは、群馬大学の早川教授から無償提供されている第6訂になります。


 少し話が逸れますが、早川教授の個人ブログから第7訂が出ていますが、印刷所の関係から一部200円の破格の値段でも提供されていますので、URLを紹介するに留めておきます。

 ↓早川由紀夫の火山ブログ 「放射能汚染地図(七訂版)」
 http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-535.html



 話を戻します。
 
 マップを良く見れば、新潟県にも放射性物質が降り注いだ事実が浮き彫りになります。
 
 次に、多くは山岳部ですので・・・ 『 水源 』 地帯も汚染された(基準値を超えた との意味ではなく、平時よりも放射線が上昇している意)と推測できます。

 そして何より、新潟県のほとんどの地域は放射能汚染を懸念する必要がありません。






まとめ


 推測も踏まえて纏めます。
 
 ・ 新潟県は一部放射能汚染されている。
 
 ・ 新潟の汚染地域の多くは山岳地帯
 
 ・ 当然、 『 水源 』  も汚染されている。
 
 ・ 浄水場で、水を濾過する際に浄水発生土(汚泥)が出るが、それも汚染されている。
 
 ・ 新潟県としては処理に苦慮する為、中央政府に処分をお願いしたいところ。
  (法的には、放射性廃棄物は国が管理することになっている)

 ・ 国(厚労省)は、園芸用土、グランド土に関しては、基準値以下ならそのまま利用。

 ・ 園芸用土利用なら、キロ400Bq以下で一般利用可能
 
 ・ グランド土利用なら、キロ200Bq以下で一般利用可能
 
 ・ 新潟県のほとんどの土地は、放射能汚染を懸念しなくて良い状況。
 
 ・ 行政指導に従うと、新潟県中に基準値以下とは言え、放射能汚染が拡散してしまう。


 泉田知事は、新潟県民の安全(安心出来る環境)を考慮した上で行政上の問題点も指摘しています。
 越権行為かもしれませんが、県民を守る為です。多少の無礼があるとはいえ、個人的には正当な申し入れ(抗議)だと感じています。






 既に、泉田知事が激高する理由が充分に見えていますが・・・

 次回は、浄水発生土が利用される園芸用土とキロ400ベクレル以下に関してです。






 その54 Vol.2 へ・・・
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福島第一原発事故 福島市街地で、キロ170万ベクレルのコケが発見 と 大熊町の現状

2013年07月03日 23:59

 これも、後々のことを考えて、記事にしておきます。

 先に、福島市の中心市街地の雑居ビル屋上で、キロ170万ベクレルものコケが採取されたとの報道です。






 福島第一原発事故関連の記事を続けるつもりは無かったのですが、さすがにこれは・・・


福島市中心部で170万ベクレル超のコケ 緊急除染へ

2013年07月03日23時24分


 福島市の中心市街地で、店舗兼住宅ビルの屋上に生えたコケから1キロあたり170万ベクレルを超える放射性セシウムが検出された。市がビルの緊急除染を行う。

 汚染されたコケは、ビル所有者の依頼を受けた東大宇宙線研究所の榎本良治准教授(素粒子実験)らが6月8日、ガンマカメラ簡易測定器で確認した。同市内のNPO法人が測定し、178万5216ベクレルを検出した。コケの真上1メートルの空間放射線量は毎時約0・5マイクロシーベルトだった。

 コケが生えた屋上には子どもが遊ぶための人工芝を敷いている。榎本准教授は「人工芝の間にたまった土や、それに生えたコケに、雨水に含まれた放射性物質が残りやすい構造になっており、高濃度になったのだろう。広範な面的除染も大事だが、簡易測定で局所的に線量の高い場所を発見し、除染することが安心につながる」と話す。

 原子力規制庁によると、東京電力福島第一原発事故直後の2011年3月には同県飯舘村山中の雑草から500万ベクレルを超えるセシウムが検出された。だが、事故から1年以上たって採取された検体の最高値は、昨年10月に同県大熊町のため池周辺の土から検出された105万ベクレルだった。


↓元記事 朝日デジタル
http://digital.asahi.com/articles/TKY201307030382.html



 高濃度の汚染になるには、それなりに理由があり、説明も無理がありません。

 しかし、基本としては、周りが(空気や雨も含めて)それだけ汚染されていないと、こんなに高い数値は出ないはずです。

 ただ、それにしても、福島市の中心市街地と明記されています。
 県庁所在地だけに、非常に心配な情報になります。






 個人的に気になるのが、記事の最後、『 事故から1年以上たって採取された検体の最高値は、昨年10月に同県大熊町のため池周辺の土から検出された105万ベクレルだった。 』 。

 一応、確認してみました。
 ブログを休んでいた時期に、環境省から公表されていました。






大熊町の現状


 環境省から配布されている資料を良く読んでみると、確かに公表されていました。
 今年(平成25年、2013年)1月10日付けになります。

 丁度良い機会になるので、資料よりも避難区域が変更されたことに触れていませんでしたので、資料を紹介して、大熊町を中心としてそちらの話題に移ることにします。


 資料の要点が知りたい方は、こちらのサイトをオススメします。
 
 ↓ベスト&ワースト 「福島県大熊町の「農業用ため池」で最高105万ベクレルの放射性セシウム汚染!」
 http://www.best-worst.net/news_aqy1zqQc7U.html


 以下が環境省より公表された、福島県の環境調査結果


press.jpg写真1 : 環境省公式ページ 平成25年1月10日 福島県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(9月-11月採取分)(お知らせ)


↓元記事 環境省 「平成25年1月10日 福島県内の公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果について(9月-11月採取分)(お知らせ)」
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16176



 上記のページに書かれていますが、念のために105万ベクレルの部分だけ抜き出すと。


(3) 周辺環境 (検出下限値:10Bq/ kg(乾))

(河川)
Cs134+Cs137:11〜151,000 Bq/ kg(乾) (※ 不検出〜82,000 Bq/ kg(乾))
空間線量:0.07〜10.89μSv/h
(湖沼・水源地)
Cs134+Cs137:21〜1,050,000 Bq/ kg(乾) (※  34〜121,000 Bq/ kg(乾))
空間線量:0.04〜51.04μSv/h



 他でも、結構な数値は出ているようです。

 ともかく、NHKスペシャルで指摘されたように、閉鎖された湖沼は要注意だと再認識出来ます。
 
 【関連記事】: http://ooruri777.seesaa.net/article/255754473.html


 計測結果の資料は全26ページに渡る資料になりますので、大熊町のキロ105万ベクレルが検出されたページのみ添付します。
 写真の最下段に大熊町があります。下から2番目のデータが、その105万ベクレルになります。


file_view.php21.jpg
写真2 : 測定結果一覧 21ページ目

↓元記事 環境省公式ページ 「 測定結果一覧 」
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=21376&hou_id=16176


 地図(測定ポイント)も添付されており、大熊町のどの辺りなのか?確認が出来ます。
 ピンクの丸で記された25になります。大熊町と双葉町の町境周辺です。


map file_view.php1.jpg
写真3 : 地図 1ページ目

↓元記事 環境省公式ページ 「 地図 」
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=21297&hou_id=16176



 地図から見えてくることは、計測されたポイントは福島第一原発の近くであったこと。
 また、記事にしたところで、現在も帰宅困難区域に区分されているエリアだと分かりました。

 色々と書きたいところですが、勉強不足な部分も見えてきましたので、別の機会にします。
 
 ただ、ハッキリしている点だけ箇条書きしておきます。
 ()内は、あくまで法的な話です。
 
 ・ 大熊町の大部分は、帰宅困難区域(人が住めません)

 ・ 大熊町の西側一部は、避難指示準備解除区域(人が住めます)

 ・ 帰宅困難区域とは言え、大熊町でキロ105万ベクレルの放射能汚染物が確認された


 この3点を抜き出しただけなのですが、やはり大熊町が抱える問題は複雑そうです。






 大熊町を調べている過程で、避難区域も把握しておきました。

 避難区域の推移が分かり易い資料を見つけましたので、紹介しておきます。






避難区域の推移


250528hinan31.jpg

250528hinan32.jpg

↓元記事 福島県公式ページ 「 区域見直し等について 」
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/250528hinan3.pdf


 本音を吐露すると、『 警戒区域 』 が一番理解し辛い区域でした。ただマップから判断すると、放射線量による明確な区分はないが、問答無用で立ち入りを禁じるエリアなことぐらいは分かります。
 
 流れで見ると避難区域の区分の中で、先頃の区分変更で『 警戒区域 』 を無くした事が分かります。
 これにより、名実共に帰宅困難区域 が最も避難レベルの高い区域になりました。


 ともかく、私が混乱したのも当然かもしれません。細かい変更も含めると、かなり頻繁に区域変更が行われています。
 しかも、今年に入ってからだけでも結構な頻度で変更しています。

 難しい話になると承知していますが、問題はこの区域変更が適正かどうかでしょうね・・・






さいごに


 私自身は原発事故に関する情報に触れすぎて、麻痺している部分は自覚出来ます。
 正直、この数値を見ても、驚かなくなっています。

 それでも、事故から2年以上が経過し、未だこのような数値が出てきます。


 大熊町のキロ105万ベクレルは、地理的な条件から出ても仕方の無い部分が見えました。
 
 一方で、速報気味に報道された福島市のキロ170万ベクレルのコケは、福島市の中心市街地から発覚しました。
 県庁所在地である福島市の中心市街地からで、避難区域に区分されたことはありません。


 現実的には、少しずつ、避難区域が縮小されています。
 避難区域外でも、相変わらず基準を超えた数値が報告されていることも事実です。

 都道府県別の放射性物質降下量からも、放射線量が上昇したホットスポットが出ても不思議ではありません。
 
 【関連記事】: 【参考資料】 福島第一原発事故 月別セシウム降下量 平成23年3月〜25年3月

 避難区域外に、管理区域を設定するぐらいの処置があっても良いはずなのですが・・・
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福島第一原発事故 2013年6月末 井戸・港付近からストロンチウムとトリチウムの高濃度汚染水 まとめ

2013年07月02日 23:59

 この手の記事を大手メディアも大きく取り上げるようにはなってきています。

 かなり報道されましたので、目新しい情報は何一つありません。ご了承を。

 ただし、トリチウムに関して、より詳しく知りたい方に別記事を用意しました。

 【関連記事】: 【参考資料】 トリチウム に関して

 興味がある方は、是非とも一読して欲しい内容です。


 個人的にも福島第一原発においてかなり重要な情報の一つと捉えています。
 後々の事を考えて纏めておきます。






 兎にも角にも、福島第一原発事故が全く収束などしていないことぐらいは、再認識出来る記事になります。
 2号機建屋の海側にある井戸から、高濃度の放射性ストロンチウムと放射性トリチウムが出ました。どちらも厄介な核種です。


2013年6月22日 2号機建屋海側の井戸 トリチウム50万Bq/ℓ ストロンチウム1000Bq/ℓ


高濃度ストロンチウム検出 井戸の地下水 規制委、公表遅れを批判

2013年6月22日


 今週(十五〜二十一日)、東京電力福島第一原発2号機のタービン建屋海側にある井戸で採取した地下水から、一リットル当たり五〇万ベクレルの放射性トリチウムと一〇〇〇ベクレルのストロンチウムが検出された。

 二〇一一年四月と五月の二回にわたり、建屋地下の高濃度汚染水が立て坑から海に漏れ出した際、一部が海に漏れず地中にたまり、地下水などの影響で井戸に流れ込んだらしい。セシウムは土に吸着されたという。

 東電は護岸周辺に地盤を固める薬液を注入し、新たに漏出監視用の井戸を掘るが、先月末には地下水の放射能濃度の変化を把握していた。原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理は「異常があれば、データをすぐ公表すべきだ」と対応の遅れを批判した。

 二十一日には、高濃度汚染水を処理した後に塩分を除去する装置から、一ミリリットル当たり二・二七ベクレルの放射性セシウムなどを含む汚染水二百五十リットルが漏れた。敷地外への流出はなかった。

 また、2号機の原子炉建屋一階上部をロボットで調査したが、機器類の損傷は見られなかったという。

PK2013062902100064_size0.jpg


↓元記事 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/condition/list/CK2013062202000182.html



 猛毒の放射性ストロンチウムも気になりますが、ここに来て放射性トリチウムの濃度が急上昇しました。

 現時点では、トリチウムが厄介な存在だけに、汚染水をまるごと保管するしか打つ手がありません。






 ストロンチウムが、1リットルあたり1000ベクレル。これも問題です。
 何より、放射性トリチウムは、1リットルあたり50万ベクレル・・・。

 これから先も思いやられますが、数十年に渡る闘いです。恐らく、まだまだ続くはずです。


 トリチウムの厄介さを詳しくは別記事で説明するとして。
 福島第一に面した港湾内のトリチウム値は、計測開始以来の最高値を記録します。






 22日の検出報道と併せて、漏洩した場所の簡略図や、セシウムの性質を記事にしてくれています。


2013年6月25日 福島第一原発の港から採取した海水からも高濃度のトリチウムが検出


港内のトリチウム上昇 福島第一 地中から海に漏出?

2013年6月25日 朝刊


PK2013062502100039_size0.jpg 東京電力は二十四日、福島第一原発の専用港内の海水の放射性トリチウム濃度が上昇していることを明らかにした。2号機のタービン建屋海側にある井戸の水から高濃度のトリチウムやストロンチウムが検出されたばかり。

 東電は海に漏れ出した可能性もあるとみて調べている。

 東電によると、トリチウム濃度の上昇が確認されたのは、1〜4号機取水口の北側。二十一日に採取した海水から、一リットル当たり一一〇〇ベクレルのトリチウムが検出された。十日は同五〇〇ベクレルで、二倍以上になった。事故後で最も高い値という。

 また、1、2号機の取水口近くの海水からも同九一〇ベクレルのトリチウムを検出。十日は同六〇〇ベクレルで、約一・五倍になった。ストロンチウムは検査中。

 先月末以降、2号機のタービン建屋近くの井戸水で、同五〇万ベクレルと高濃度のトリチウムやストロンチウムを検出。一昨年四月と五月に立て坑から海に漏れた高濃度汚染水の一部が地中に残り、地下水の影響などで出てきたとみられる。

 今回の海水も井戸水も、セシウム濃度が低い点が一致している。高濃度汚染水に含まれるセシウムの多くは土に吸着され、吸着されにくいトリチウムなどが漏出している可能性もある。


↓元記事 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013062502000127.html



 少しずつですが、東電も汚染水が海に流出し続けている事実を認めつつあるようです。
 (事故直後に、放射性物質の大量流出を認めましたが・・・、現在の汚染された地下水に関しては認めていません)

 ストロンチウムとトリチウムは親水性が高い(水に溶けやすい)放射性物質になります。
 邪推では無いとは思いますが、恐らく把握出来ていない量の放射性物質が河川や海に放出された可能性も見えてきます。証拠はありませんが・・・
 
 ストロンチウムとトリチウムの濃度から考えて、大量の放射性セシウムの存在も予想出来ますが、セシウムは水に溶けても泥や土などに吸着し易い為、恐らく地中に・・・ との記事になります。

 余り深くは書かれていませんが、セシウムは土、泥、瓦、コンクリートに簡単に吸着します。
 その為に、除染作業を繰り返しても、ある一定レベルになると放射線値が下がらなくなります。
 
 これは、ウクライナやロシアなどのチェルノブイリを経験した科学者達が、早くから来日してまで指摘してくれていた事です。

 とは言え、住み続けるのであれば、とにかく除染しないことには話になら無いことも事実です。






 そして追い打ちとして、海際の井戸からも高濃度のストロンチウムが検出された。






2013年6月29日 海際の井戸からも高濃度ストロンチウム


海際の井戸からも高濃度汚染水 福島第1原発

2013年6月29日 19時32分


 東京電力福島第1原発の海側にある観測用の井戸の水から高濃度の放射性物質が検出された問題で、東電は29日、地中の拡散状況を調べるためさらに海側に掘った井戸で、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり3千ベクレルの濃度で検出されたと発表した。東電は含まれている核種の特定を急ぐ。

 高濃度汚染水が地下水に混ざって海際まで達していることが裏付けられた。原発港湾内では海水の放射性物質濃度が上昇傾向にあり、海に流出している恐れもある。

 東電によると、高濃度汚染水が新たに検出されたのは、海まで約6メートルの地点に掘った井戸。28日に水を採取した。
(共同)


↓元記事 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013062901002001.html



 状況から判断して、もう地下水から海へ漏洩していない・・・、と発言するには相当な論拠を示さないと無理でしょう。






 わざわざ新聞記事を紹介するまでも無く、東電から報道向け資料が公開されています。

 グラフになっており、感覚的に分かり易くなっています。
 福島第一原発の地下で何かが起きたことが分かる資料。


handouts_130624_08-j1.jpg
写真1: 東電・報道配布資料 平成25年6月24日 1ページ目


handouts_130624_08-j2.jpg
写真2: 東電・報道配布資料 平成25年6月24日 2ページ目


※PDFファイルです。
↓東京電力 『 福島第一原子力発電所における地下水・海水中のトリチウム濃度、および海水中のストロンチウム、全ベータ濃度の推移 』 
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130624_08-j.pdf






まとめ


 ともかく問題は多重になっていますので、まとめます。
 
 ・ 6月22日に東電から2号機海側井戸の地下水で放射能汚染の報告。

 ・ 1リットルあたり、それぞれ、ストロンチウムが1000ベクレル、トリチウムが50万ベクレル検出

 ・ この情報は、東電側が既に5月末時点で把握していたことも発覚した。

 ・ 6月24日東電から資料と共に、福島第一原発港湾内から採取した海水からもトリチウムが過去最高を記録したことを公表

 ・ 6月29日、東電から海際に掘った井戸の地下水からも、1リットル3000ベクレルの放射性ストロンチウムを検出したと公表

 
 これで、2号機を中心とした海側の井戸、海際の井戸 と 港湾内の海水 全てから放射性ストロンチウムが検出された。
 
 状況から考えると、井戸の地下水 と 港湾内の海水 が繋がっている可能性も疑われる。
 海際の井戸水の検査結果が待たれるが、高濃度のトリチウムが検出されれば、疑惑と云うより、ほぼ状況証拠に近くなる。
 (ともかく東電がどう弁明しようが、地下水の流出を止める方向で今すぐ動かないとマズいはず・・・)


 元々地下水のデータ公表は、福島の漁師さん達に地下水を海に流して良い状況を説明する意味合いも含まれていました・・・
 個人的にも気になりますけれども、そろそろ海域によっては生きている間に二度と漁が出来ない(もしくは、数十年単位で漁はしない方が良い)と、伝えてあげる勇気も必要では無いでしょうか?
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【参考資料】 トリチウム に関して

2013年07月01日 23:59

 6月末に大手メディアが、一斉に福島第一原発の井戸水と海水から高濃度のトリチウムを検出したと報道されました。
 
 そこで、『 トリチウムって何? 』 『 何でそんなに大騒ぎするの? 』 と感じる方も居られるかと・・・

 先に書いておきますと、世界の原子力専門家達が 『 数ある放射性核種の中でも、トリチウムが最も厄介だ 』 との指摘をしています。(全ての専門家が指摘している訳でもありません。)

 今回、大手メディアがネット上で速報を連発してまでトリチウム検出を報道した理由は、それだけ深刻な問題が顕在化した訳です。


 早速ですが、トリチウムの危険性に移ります。






トリチウムとは?


 トリチウムとは、水素の同位体のことです。つまり、水素の放射性物質になります。

 水素は、重水素、トリチウムの同位体があり、この2つとも実は自然界に存在します。
 同じ水素の同位体ですが、大きく特徴が異なります。


 重水素   ・・・ 水素の同位体ながら、かなり安定した物質。ほとんど放射線を出さない。

 トリチウム ・・・ 不安定な水素の同位体。
           ベータ崩壊(エネルギーの低いベータ線を放出)し、ヘリウムになる。


ef3a8b9847dedb1334db94ce8b7c69f6.png
化学式: トリチウムがベータ崩壊し、ヘリウムになる状態


 重水素は、水を電気分解しても発生するぐらい有り触れた存在です。しかも同位体ながら安定した物質です。過度に怖がる必要はありません。


 問題のトリチウムですが、半減期 は12.32年。宇宙線に照射されて、窒素などの元素が核分裂を起こして発生すると考えられています。勿論、人工的な核分裂によっても、大量に発生します。
 つまり、ごく少量ながら自然界には常に存在します。人体への影響を懸念しないのは、知っていても防げないからであり、自然界に存在する量も無視して良いほどの微量だからです。



トリチウムは、水に溶けて存在する


 トリチウムは、非常に水に溶け易い性質を持っています。
 化学式では、HTO(Tはトリチウム)もしくはT2Oとなり、見た目では完全に水となります。

 自然界では、水・海水だけでなく、雲・水蒸気など空気中にも存在します。
 つまり、水は地中にも存在しますので、どこにでも簡単に入り込んでしまう放射性物質になります。






 難しく感じる方は、『 トリチウム = (水の)放射性物質 』 と覚えておいて下さい。
 (中途半端な知識の人は水素の放射性物質だと訂正するでしょうが、詳しい人は納得してくれると思います。)


 それでは、いよいよトリチウムが厄介と云われる由縁に入ります。






なぜ?トリチウムが厄介なのか?


 トリチウムが厄介と云われる由縁は、大きく二つの理由があります。


 <汚染水の管理面で厄介者>

 1. トリチウムの酸化物であるHTOもしくはT2Oは、ほぼ完全に水、つまり既存の技術ではトリチウムと水は分離できない。


 <内部被曝でも厄介者>

 2. トリチウムで内部被曝すると、ベータ線を出すだけでなく、ヘリウムが異物として体内に残ると考えられている


 1を補足すると、トリチウムは自然界ではHTO、T2O(つまり、ほぼ水)として存在している。
 水(H2O)とトリチウムの酸化物(HTO、T2O)は、大きさもほぼ同じ。つまり、フィルターなどで除去が出来ません。一旦、水と混ざると、濃度に関係無く水ごと保管しないと無理になる。
 纏めると、他の核物質と違い、トリチウムは汚染水から分離出来ない。


 2を補足すると、人体の約70%が水分と云われています。
 体重60Kgの成人男性で考えると、約42Kg分が水になります。

 一方で、摂取する水で考えてみると・・・
 大体、2〜3リットルの水を1日に排出し、1日で3リットル以上の水を必要とします。

 つまり、体内に42Kg分の水があるのに、1日に必要な水分はわずか3Kgになり、ほとんどの水分が交換されていないことが分かります。


 体内の組織は、部位によりますが、3週間〜数年のサイクルで全てが入れ替わっています。

 ↓体の入れ替わる速度
 http://www.kms.ac.jp/~hsc/izumi/diet/necessity/speed.htm

 ところが、水分に関しては良く分かっていません。

 仮の話ですが、トリチウムが水分として体内に入った場合。
 体内の組織と同じと考えるならば、長いケースで数年間は存在することにはなります。






 ここまでで、トリチウムが厄介な理由が見えてきたと思います。
 
 超簡単に説明すると・・・
 
 トリチウムと水の分離は、理論的には可能でも、現実的には 『 ほぼ不可能 』 。

 内部被曝すると、ベータ線を出し、ヘリウムを異物として置き土産していく。






さいごに


 駆け足ですが、トリチウムの危険性を説明しました。

 何となくでも結構ですので、トリチウムは非常に厄介な放射性物質だと認識して頂ければ幸いです。


 少なくとも、この例えで正しいはずです。

 例えば、高濃度のプルトニウム汚染水があったとします。プルトニウムと水の分離は現実的に可能ですので、フィルター等で分離したプルトニウムを保管して、浄化した水を利用するなり、自然に戻すことが出来ます。

 これがトリチウムになると、現実的にほぼ無理な話になります。
 理論上は色々と分離出来るのですが、それを実現するには巨大な施設と膨大なコストが必要です。


 日本は福島第一原発の過酷事故から、否応無しに、この大問題に直面しています。
 実は、他国でもトリチウムと水および水素との分離を試みましたが、どこも実用可能なレベルでは成功していません。(つまり、分離に成功しても、コストが掛かりすぎるし、効率が悪過ぎる。)

 東電からPDFとして、この話が解説されていますので、興味がある方は目を通してみて下さい。
 トリチウムと水素および水との分離の難しさが簡略にですが、説明されています。
 ページ末に貼っておきます。


 一番現実に即した問題としては、厄介なトリチウムが高濃度で検出されたことが公になった以上、福島の漁師さん達に 『 漁の再開は、いつ出来るか分からない・・・ 』 と言い続けるつもりでしょうか?

 少なくとも、東日本で獲れた海産物は、トリチウムの検査もした方が・・・
 ぐらいは書いておきます。


 急ぐのも必要ですが、恐らくトリチウムだけでも今後数十年の闘いになるはずです。

 ともかく、今後の情報にも注意したいところです。






東電・公表資料 『 福島第一原子力発電所のトリチウムの状況について 』

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↓元記事 東京電力 『 福島第一原子力発電所のトリチウムの状況について 』
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images/c130426_06-j.pdf






参考サイト


↓Wikipedia 『 重水素 』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8D%E6%B0%B4%E7%B4%A0

↓Wikipedia 『 三重水素 』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%87%8D%E6%B0%B4%E7%B4%A0

↓アメブロ:Drive On the Earth 『 トリチウム --- 最も厄介な放射性物質 』
http://ameblo.jp/doe136/entry-11509256836.html

↓水Web 『 1日に必要な水の量 』
http://www.secom-alpha.co.jp/mizuweb/body/003.html

↓東京電力 『 福島第一原子力発電所のトリチウムの状況について 』
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images/c130426_06-j.pdf


 その他、沢山の個人ブログ、ツイート情報より。
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【記事追加】 児童ポルノ法改正案提出 と 反対を表明する団体

2013年06月18日 21:22

 やはり提出されました。児童ポルノ法改正案。
 取り急ぎ、記事の紹介とリンク先の紹介まで。


 以前、紹介したのは、この記事。
 
 【関連記事】: 公明党と自民党 その1 憲法96条改正・参院選公約に明記せず 児童ポルノ改正案提出へ

 問題は改正案が成立するかどうかにかかっています。

 頁末に、反対表明もしくは意見書を提出した団体とリンク先を纏めておきます。






【追加事項】

2013年6月18日
 ・ 共同通信 さいとうたかを・藤子不二雄ら著名漫画家による反対表明

2013年6月15日
 ・ 日本動画協会公式サイトでの反対表明 追加
 ・ 映演労連公式サイトでの反対表明 追加
 ・ 時事通信 日本文藝協会での反対表明 追加
 ・ 日本文藝家協会公式サイトでの反対表明 追加

2013年6月14日
 日弁連会長がついに反対声明を追加
 ・ 日弁連会長による反対声明記事 追加
 ・ 日弁連会公式ページ リンク先を追加

2013年6月1日
 反対表明団体に以下を追加
 ・ 出版労連(日本出版労働組合連合会) 追加
 ・ コミックマーケット準備会 追加

2013年5月30日
 ・ Gigazineによる 日本アニメーター演出協会 の反対声明 追加
 ・ 反対声明団体に、日本アニメーター演出協会と声明文のリンク先を追加
 ・ コミックマーケット準備会の反対声明文リンク先を追加






 大手メディアは、簡潔に児童ポルノ改正案を提出したことを記事にしています。

児童ポルノ:自民、公明、維新が「単純所持」禁止改正案

毎日新聞 2013年05月30日 00時33分(最終更新 05月30日 01時11分)

 自民、公明、日本維新の会の3党は29日、児童買春・児童ポルノ禁止法改正案を衆院に共同提出した。現在は規制されていない「単純所持」を禁止し、「自己の性的好奇心を満たす目的」で所持した場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰則を設けた。過去の国会でも提出されたが自公両党と民主党で折り合っておらず、調整は難航するとみられる。

 与党時代の民主党は「表現の自由」に配慮するため、罰則は「有償かつ反復で取得」した場合の所持に限定する案を出していた。


↓元記事 毎日.JP
http://mainichi.jp/select/news/20130530k0000m040116000c.html


 この記事によると、調整に難航するとの見通し。

 それにしても、参院選前に提出するとは・・・






 朝日は、反対団体の紹介と併せた記事。






児童ポルノ禁止法改正案に反対 雑誌協会と書籍出版協会

2013年5月29日19時38分


 日本雑誌協会と日本書籍出版協会は29日、今国会に提出された児童ポルノ禁止法改正案が「表現の自由を規制する方向に進んでいる」として、反対声明を発表した。

 現行法は、第三者への販売や提供を目的とする場合に違法となるが、改正案では「単純所持」にも対象を広げる。両協会は「児童ポルノの定義があいまいだ」と指摘。単純所持禁止の要件に加わった「みだりに」「性的好奇心を満たす目的で」といった基準も、「漠然としている」と批判している。

 また、漫画やアニメも規制対象に含める条項が盛り込まれているとして、「日本の貴重な漫画文化が破壊される」と懸念を示した。

 日本漫画家協会も同日、「見過ごせない問題がある」とする意見書を出した。


↓元記事 朝日デジタル
http://www.asahi.com/national/update/0529/TKY201305290366.html


 本が売れなくなっている以上、出版社によっては生命線となる改正案となりかねない。






 サイゾーさん、ITMediaさん 共に熱心に記事にしています。






<サイゾー>


 ↓サイゾー 『 児ポ法改“悪”が提出! 出版業界団体、図書館も改“悪”案反対声明を発表へ 反対運動が本格化 』
 http://www.cyzo.com/2013/05/post_13464.html

 上記のサイトに、日本図書館協会が明記されている。


 こちらは、コミックマーケット(通称コミケ)の団体も反対表明をしたと記事にしている。
 
 ↓サイゾー 『 コミケも児童ポルノ法改定案に反対を決定! 全国同人誌即売会連絡会が反対声明を発表 』
 http://www.cyzo.com/2013/05/post_13472.html






<ITMedia>


 ツイッターなどでは、皆さんがこちらのサイトを勧めている。

 ↓ITMedia 『 児童ポルノ禁止法改定の真の目的は何か? 単純所持禁止、マンガ・アニメ「調査研究」への懸念 』
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1305/27/news094.html


 こちらは、同じくITMediaですが提出に備えて用意しておいた記事のようです。

 ↓ITMedia 『 「嫌だから規制する」なのか──児童ポルノ禁止法改定案、その背後にあるもの 』
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1305/29/news099.html


 こちらは、日本漫画家協会が意見書を提出の記事。
 
 ↓ITMedia 『 「焚書のような事態」――児童ポルノ禁止法改定案に漫画家協会、漫画・アニメの「調査研究」除外求める 』
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1305/29/news104.html


 ついに日弁連会長が反対声明文を公開した。
 
 ↓ITMedia 『 児童ポルノ禁止法改定案に日弁連が反対声明 「善良な社会風俗の保護が目的ではない」 』
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1306/14/news041.html






<Gigazine>


 こちらでは、日本アニメーター・演出協会が反対を声明。

 ↓Gigazine 『 児童ポルノ禁止法改正案に反対することを日本アニメーター・演出協会「JAniCA」が表明 』
 http://gigazine.net/news/20130530-janica/?utm_source=echofon






時事通信


児童ポルノ法改正に反対=映演労連

 映画、映像、演劇産業関係者で組織する映画演劇労働組合連合会(映演労連)は7日、自民、公明、日本維新の会の3党が5月29日、衆院に提出した児童ポルノ禁止法改正案について、「過剰な表現規制は創作者の萎縮を招く」として反対する声明を発表した。
 声明は同改正案を「言論・表現の自由に対し国の規制を促す内容」と批判。特に付則には「被害児童が実在しない『漫画・アニメ・コンピューター映像』の世界に規制を及ぼす」条項があり、「国が促進しようとする『クールジャパン』は土台から破壊されかねない」と訴えている。(2013/06/07-16:33)


↓元記事 時事通信
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013060700725&g=int



児童ポルノ法改正案に声明=文芸家協会

時事通信6月14日(金)18時1分

 日本文芸家協会(篠弘理事長)は14日、今国会に提出された児童ポルノ禁止法改正案について、「児童の人権保護と性的虐待防止の理念は支持するが、趣旨から逸脱した文言があり、表現の自由に関わる」と懸念する声明を発表した。
 特に児童ポルノの「定義が不明確」な中で、単純所持を禁止する内容を問題視。付則で漫画などの規制検討をうたっていることは、その原作の文芸作品の創作や表現の自由も制限する恐れがあるとし、「慎重な配慮を強く要望する」と訴えた。 

[時事通信社]


↓元記事 Biglobeニュース
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0614/jj_130614_2265091589.html







共同通信


児童ポルノ法改正に藤子氏ら声明 著名漫画家ら「漫画衰退招く」


 自民、公明両党と日本維新の会が衆院に共同提出した児童買春・ポルノ禁止法改正案について、さいとう・たかをさん、藤子不二雄Aさんをはじめ著名漫画家でつくる「21世紀のコミック作家の会」は18日、「日本の漫画文化の衰退を招く」とする反対声明を発表した。

 声明は、漫画・アニメについて政府が3年間をめどに調査し、必要な措置を取るなどと定めた改正案について「自由な発想・表現の下に創作活動を展開する漫画家の自由を奪う」などと懸念を表明。「読者からの支持を得られない『面白くない』漫画ばかりが量産される可能性がある」と指摘し、改正案の撤回を求めている。

2013/06/18 15:19 【共同通信】


↓元記事 47News(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013061801001798.html



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 最後に、反対を表明もしくは異議を唱えている団体の一覧。


 <反対団体>


seimei1305291.jpg ↓日本書籍出版協会 『「児童ポルノ禁止法」改正法案への反対声明 』 ※PDFファイルです
 http://www.jbpa.or.jp/pdf/documents/seimei130529.pdf



 ・日本雑誌協会


 ・日本図書館協会
 (反対声明文の準備中)


press201305301.jpg ↓日本アニメーター演出協会 ※PDFファイルです
 http://www.janica.jp/press/press20130530.pdf



68_130530seimei1.jpg ↓日本出版労働連合会 『 児童ポルノ禁止法」改正法案に反対する声明 』 ※PDFファイルです
 http://www.syuppan.net/uploads/smartsection/68_130530seimei.pdf



全国同人誌即売会連絡会.jpg ↓全国同人誌即売会連絡会 『 「児童ポルノ禁止法」改定案への反対声明 』
 http://sokubaikairenrakukai.com/news1305.html



コミックマーケット準備会.jpg ↓コミックマーケット準備会 『 「児童ポルノ禁止法案」に対する意見表明 』
 http://www.comiket.co.jp/info-a/C84/C84Notice2.html



日本弁護士連合会 山岸憲司会長名での反対声明.jpg ↓日弁連会長による反対声明文
 http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/130613.html



20130604011.jpg ↓AJA(日本動画協会) 『 「児童ポルノ禁止法」改正案に対する反対声明 』 ※PDFファイルです
 http://www.aja.gr.jp/data/doc/2013060401.pdf



130607_jidou.jpg ↓映演労連 『 児童ポルノ禁止法改正案に反対する声明 』 
 http://www.ei-en.net/appeal/130607_jidou.html



20130613_11.jpg ↓日本文藝家協会 『 児童ポルノ禁止法改定案についての声明 』 ※PDFファイルです
 http://www.bungeika.or.jp/pdf/20130613_1.pdf





 <意見書を提出した団体>


社団法人日本漫画家協会.jpg ↓日本漫画家協会 『 児童ポルノ規制法案に向けての意見書 』
 http://www.nihonmangakakyokai.or.jp/








 過去の名作と呼ばれる漫画・アニメ・書籍(挿絵など)も改正後は抵触する公算が高いとされている為に、出版関連団体が反対の意志を表明しています。

 児童ポルノ法改正案と銘打っていますが、言論統制の色が濃い改正案となっています。
 法律名に惑わされずに、この改正案が妥当なのかどうか、是非とも検討してみて下さい。

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【速報】福島第一原発事故 環境省が東電提訴を検討 除染費用約165億円で

2013年06月01日 20:48

 取り急ぎ転載まで






環境省、東電提訴を検討 未払い除染費165億円で


 福島第1原発事故に伴う除染をめぐり、東京電力が負担するべき費用のうち約165億円の支払いに応じる姿勢を見せていないことから、環境省が支払いを求めて提訴を検討していることが1日、分かった。既に法務省と詰めの協議に入っており、方針が固まれば提訴する。

 未払いとなっているのは、環境省が放射性物質汚染対処特別措置法に基づいて請求した原発周辺の国直轄除染費や、自治体が実施した除染への補助金など。

 特措法に基づく除染費用は国がいったん支出した後、東電に請求する仕組みになっている。
2013/06/01 20:00 【共同通信】


↓元記事 47News(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013060101002108.html







 東電も処理が追いつかないのだろうが、どうなっているんだか・・・
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【参考資料】 福島第一原発事故 月別セシウム降下量 平成23年3月〜25年3月

2013年05月28日 22:31

 主な府県別の月別セシウム降下量に関する資料です。

 この資料の続きでもあります。
 
 【関連記事】: 【参考資料】 福島第一原発事故 月別セシウム降下量 平成23年3月〜24年2月






 全てのデータは、原子力規制委員会から公表されているデータを元に作成しました。


 ↓原子力規制委員会 定時降下物のモニタリング
 http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/list/195/list-1.html


 1. セシウムの合算値(セシウム134と137の合計)が無い為に、こちらで集計。
    全てのデータは、セシウム合算値によるものです。

 2. ヨウ素131は事故発生後 不検出の連続になる為、割愛。

 3. グラフは、セシウム降下量を分かり易くする為に、期間を絞りました。ご了承下さい。


 ※毎日更新されている福島県の降下物データは、福島県原子力センター福島支所(福島市方木田地内)となり、こちらの月別データは福島県双葉郡となります。お間違いなきように。

 ※降下物の量になりますので、基本的に雪や火山灰のように積もっていきます。判断材料として、累計(積算量)を表につけておきした。ご参考までに。


※データの入力ミスなど不備がありましたら、コメントまたはメールでご連絡下されば幸いです。






※単位は全てMBq(メガベクレル=百万ベクレル)/km2(平方キロメートル)になります。


降下量 表1.jpg
表1: 主な県別 セシウム降下量 と 積算量

 首都圏では、東京都(新宿区)が一番多い事実を忘れないで下さい。


月別セシウム(Cs134+Cs137)降下量 主な県別推移グラフ.jpg
グラフ1; 主な県別 セシウム降下量 推移グラフ

 安全かどうかの議論を別にして、東京都のセシウム降下量が急上昇していることが分かります。

 東京都の状況が分かりにくい為に、別グラフを用意。こちら


月別セシウム(Cs134+Cs137)降下量 東京都・茨城県推移グラフ.jpg
グラフ2 : 東京都・茨城県 セシウム降下量 推移グラフ

 長期的な風向きを考えて、茨城ルートの影響を考慮してみました。
 波形としてかなり一致することが分かります。

 茨城県は、平成23年10月(55.0MBq/km2)よりも平成25年3月(89.0MBq/km2)の方が降下量が多く。
 東京都は、平成23年7月(53.0MBq/km2)よりも平成25年3月(64.0MBq/km2)の方が降下量が多いことが分かります。
 
 どちらにしても、平成24年のどの月よりも平成25年3月の方が多かった事実が見えてきます。


 インターネットでは、東京都のセシウム降下量ばかりが注目されていますが、肝心の福島県を見てみます。


月別セシウム(Cs134+Cs137)降下量  福島県(双葉郡)推移グラフ.jpg
グラフ3 : 福島県 セシウム降下量 推移グラフ

 2012年2月(33,300.0MBq/km2)と遜色ない2013年1月(28,890.0MBq/km2)だったことが分かります。
 
 数字が大き過ぎますので、分かり易くすると。
 福島県双葉郡には、2013年1月だけで、288億9000万ベクレル/平方キロメートル降り注いだことになります。


 時期的なズレが生じていますが、今現在も福島第一から断続的に大量の放射性物質が放出されている可能性が濃厚だと判断出来ます。






<あとがき>


 安全かどうかの議論を別としても、これらの客観的な話は一切報道されていません。
 データは原子力規制委員会から常に公表されており、いつでも記事に出来るはずです。
 
 
 前回と同じく、他のサイトでセシウム降下量グラフを発見できず、(;´д`)トホホ… 仕方無しに作成しました。
 (群馬大学の早川教授が東京都のみのセシウム降下量のグラフを作成されていました。)


 データ入力は、前回と同じく裏技と表技を駆使しましたので変換過程で何らかのミスが発生したかもしれません。
 手打ちデータでは無いので、一つズレて居る場合は他のデータも怪しくなります。

 データミスが判明した場合は、なるべく早く修正します。
 ご指摘よろしくお願いします。
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福島第一原発事故 マスコミが触れない話 その52 カンボジアの奇病の正体 と 風疹に関する奇妙な一致

2013年05月27日 23:59

 一応、前回からの続き・・・
 
 【関連記事】: 福島第一原発事故 マスコミが触れない話 その51 広域瓦礫受け入れ交付金 と 『 根拠法 』

 前回は、がれき広域処理に関する新旧の情報まで。

 今回は何の医学的な根拠も示せませんが、奇妙な一致が続いている話になります。しかし、ソース元は全てしっかりした情報に基づいた話ですので、そこはご安心下さい。
 出来れば表題通り 『 奇妙な一致 』 と捉えて頂ければ幸いかと・・・。






 過去記事で感染症に関する異常データを提示しておきました。

 【関連記事】: 【参考資料】 国立感染症研究所による2011年・感染症の異常データ

 軽く状況説明すると、国立感染症研究所から感染状況の週報が公開されており。
 以下の感染症において、過去10年と比較して異常と思われる感染症を抜き出した記事になります。
 
 (例年と比較し、振れ幅の差が小さい順に)
 
 ・ 細菌性髄膜炎
 ・ 伝染性紅斑
 ・ 手足口病
 ・ マイコプラズマ肺炎
 ・ 急性出血性結膜炎


 2012年においては、これらの感染症に関して顕著な違いが確認出来たのはマイコプラズマ肺炎ぐらいでした。
 マイコプラズマ肺炎は、天皇陛下と愛子さまも罹患したこともあり、かなり報道されていました。






 そのマイコプラズマ肺炎ですが、最近報道されなくなったのは、事故発生から2年が経過してようやく例年並みへと落ち着きをみせた為です。






マイコプラズマ肺炎


16myco.gif
 写真1 : 2013年5月時点 国立感染症研究所 マイコプラズマ肺炎 推移グラフ


↓元記事 国立感染症研究所 マイコプラズマ肺炎
http://www.nih.go.jp/niid/ja/10/2096-weeklygraph/1659-18myco.html

 グラフからは、福島第一原発事故後 〜 2012年まで、過去10年と比較して異常なぐらい流行した事実が覗えます。

 ともかく医療現場の努力の甲斐もあり、マイコプラズマ肺炎に関しては、ようやく落ち着きを見せています。






細菌性髄膜炎


 細菌性髄膜炎のグラフを見ても顕著な違いは感じられませんが、現在も世界最大のファイザー製薬からワクチン接種を呼びかける 照英さんのCM が流れています。
 映像をご覧になりたい方は、こちらへ。頁末になります。
 
 【関連記事】: 福島第一原発事故 栃木県日光市・中禅寺湖の現状


 少し便乗商法的な臭いもしますが、油断出来ない状況なのかも?しれません。






 さて、やっと表題のカンボジアの話に移ります。
 
 昨年(2012年)報道されたカンボジアの謎の病気なのですが、現時点で日本メディアからWHOの発表を報道した形跡を探せません。


 【関連記事】: カンボジア・謎の病気 WHO公表による死者が1人増える 被災地からの水産缶詰と給食


 簡単に纏めると、2012年の春頃からカンボジアで謎の病気が流行し、判明しただけで子供を中心とした50人以上が亡くなりました。ロイターやAFP通信といった外電大手も、熱心に報道したことから世界的な注目度もかなり高かった模様です。
 関連性があるのか?現在も不明ですが、インターネットで注目された情報として、3.11の被災地で作られた水産加工品の缶詰が給食用としてカンボジアなどに送られた報道も併せて転載してあります。

 単なる偶然かもしれませんが、この過去記事には続きがあります。

 その結果は、奇妙な一致が重なり過ぎる内容でした。






手足口病


カンボジア原因不明の病気、手足口病の可能性=WHO

2012年 07月 10日 14:45 JST


カンボジア 手足口病.jpg プノンペン 9日 ロイター] カンボジア保健省と世界保健機関(WHO)は8日遅くに声明を発表し、同国で4月以降に子どもが相次いで死亡している原因不明の病気について、手足口病の原因となるエンテロウイルス71型(EV71)が検出されたと発表した。

声明によると、調査の結果、患者から採取した多くのサンプルからEV71が検出された。ほかにも、デング熱の病原体やブタ連鎖球菌が検出された例もあるという。モム・ブンヘーン保健相は声明の中で、調査は続けられており、数日以内に最終的な結果を出すことを目指していると述べた。

手足口病は感染者の粘液や唾液、排せつ物を介し、幼児や子どもに感染することが多い。

また、死者数については、病院に運ばれた子ども59人のうち52人が死亡と集計を改めた。当初、WHOは高熱や脳炎、呼吸器症状の兆候を訴えて首都プノンペンと北部の都市シェムリアップの病院に運ばれた子ども61人のうち、少なくとも60人が死亡したとしていた。



↓元記事 ロイター通信(日本語版)
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE86903W20120710


 なぜ、ロイターの記事なのか? 後で説明します。


 専門家でもありませんので、まさか手足口病でこれだけの死者(下方修正で死者52人)が出るとは想像もつきませんでした。
 (後で分かったのですが、手足口病でも重度になると合併症を起こす場合があり、カンボジアの場合衛生面が整って居らず、EV71を起点とした合併症を次々に併発したとの見解をWHOが示した記事になります。)


 去年の話になりますし、時系列に纏めるとスッキリします。


 ・ 2012年3月 3.11で被災した4県で水産缶詰を給食用として、カンボジアなどに提供した。

 ・ 2012年春頃 カンボジアで子供を中心とした謎の病気が流行
 
 ・ 2012年7月 カンボジアで謎の病気による死者が膨らんでいると世界的に報道(主にロイター、AFP)

 ・ ここまでは、日本の大手メディアも報道をしていた。

 ・ 2012年7月 WHOが謎の病気の原因は、エンテロウィルス71で手足口病の可能性が濃厚だと発表した。

 ・ このWHOの発表は、日本の大手メディアで報道した形跡すら発見出来ない。


 何度も書いていますが、国立感染症研究所から公表されている手足口病の流行状況を見ると 日本の大手メディアが一斉に報道しなくなった理由も見えてきます。


 手足口病.jpg
 写真2 : 2012年5月時点 国立感染症研究所 手足口病 推移グラフ


↓元記事 国立感染症研究所 手足口病 週報グラフ
http://www.nih.go.jp/niid/ja/10/2096-weeklygraph/1649-06hfmd.html


 ※念のために書いておきますが、日本は衛生面が整っており、手足口病での致死はほぼありません。






 次に、風疹(ふうしん)の情報です。

 情報としては、かなり前から掴んでいたのですが、大手ブロガーさんが不安を煽る記事にしていましたので、書くのを止めていました。
 現状ではなく、後々のことを考えておくと、記事にしておいた方が良いと判断しました。

 下記の記事と併せて考えて頂くと、こちらも奇妙な一致の話になりますので・・・

 【関連記事】: 【参考資料】 福島第一原発事故 月別セシウム降下量 平成23年3月〜25年3月






風疹(ふうしん)


 念のために触れておきますが、風疹はウィルスであり、感染症です。
 先天性、一般の風疹とも風疹ウィルスに感染したことによる病気になります。


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写真3 : 風疹ウィルス


 報道で使われているグラフは、全て国立感染症研究所からの物になります。
 どこかの報道を転載しても良いのですが、グラフを見れば文章よりも理解が早いはずです。


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写真4 : 国立感染症研究所 風疹 2013年第19週の速報グラフ 1ページ


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写真5 : 国立感染症研究所 風疹 2013年第19週の速報グラフ 2ページ


↓元記事 国立感染症研究所 風疹 2013年第19週の速報グラフ ※PDFファイルです
http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/idwr/diseases/rubella/rubella2013/rube13-19.pdf


 さて、連日のように風疹の大流行が報道されていますが、大手メディアはこの話に触れようとはしません。
 インターネットでは、それなりに情報が流れていますので、既にご存知の方も多いでしょう。
 
 チェルノブイリ原発事故(1986年)の翌年(1987年)に、先天性風疹が日本での調査開始以来最大の流行をしていました。


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写真6 : 風疹流行と先天性風疹症候群の年度別出生数


↓元記事 日本小児感染症学会 「 日本の風疹・先天性風疹症候群の疫学研究 」※PDFファイルです
http://www.jspid.jp/journal/full/02002/020020247.pdf


 グラフを見ると、日本での風疹は1987年が最大の流行であったことが分かります。

 注意して頂きたいのは、放射能との関係を否定出来るデータも公平に掲載しています。写真5の都道府県別の風疹患者累積数を見れば、福島第一原発事故による放射能を懸念しなくて良い地域でも流行しています。

 ただし、胸を張って放射能と関係ないと言い切れるのであれば、大手メディアが1987年の件に触れて良い内容になると思われますが・・・






さいごに


 色々と書くと、後々ややこしくなりそうですので、客観的事実を述べるに留めておきます。
 データや報道などの情報元は社会的に信頼して良い物ばかり集めておきました。

 どう解釈するかは、冷静な読者の皆様にお任せします。
 
 後は現実問題として、これらの偶然の一致かもしれない事象を、大手メディアが記事にしていないことも事実です。






 その53へ・・・
posted by オオルリ@卍解 | Comment(0) | TrackBack(0) | 核関連 原発 原発事故 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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